臓器の移植に関する法律において脳死の判定基準となっている検査はどれか。
公式正答:1
解説
臓器の移植に関する法律において脳死の判定基準となっている検査を問う。脳波検査である。
この問題で問われていること
法的脳死判定の項目を正確に把握しているか。
しくみから理解する
臓器の移植に関する法律に基づく法的脳死判定は、5つの項目で行われる。①深昏睡、②瞳孔の固定と散大(両側4mm以上)、③脳幹反射の消失(対光反射、角膜反射、毛様脊髄反射、眼球頭反射、前庭反射、咽頭反射、咳反射)、④平坦脳波、⑤自発呼吸の消失(無呼吸テスト)である。これらを、必要な知識と経験を持つ2人以上の医師が、6時間以上(6歳未満では24時間以上)の間隔をあけて2回行い、いずれも同じ結果であることを確認する。脳波検査は、大脳の電気的活動が完全に失われていることを示す項目として不可欠である。
選択肢ごとの確認
筋と末梢神経の電気的活動を調べる検査で、筋原性疾患や神経原性疾患の診断に用いる。脳の機能を評価するものではない。
末梢神経の伝導速度を測る検査で、末梢神経障害の評価に用いる。これも脳の機能の評価ではない。
髄膜炎や脳炎、くも膜下出血の診断に用いる。脳死判定の項目には含まれない。
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混同しやすいポイント
脳死と植物状態の違いを押さえる。脳死は脳幹を含む脳全体の機能が不可逆的に停止した状態で、自発呼吸がなく回復しない。植物状態は大脳の機能が損なわれても脳幹が生きており、自発呼吸があり、回復の可能性も残る。法的脳死判定は臓器提供が前提となる場面で行われるものであり、臨床的脳死診断とは手続きが異なる点にも注意する。
理解を深める
臓器移植法は1997年に施行され、2010年の改正で大きく変わった。改正により、本人の意思が不明でも家族の承諾があれば臓器提供が可能になり、15歳未満からの提供も認められた。また親族への優先提供の意思表示もできるようになった。意思表示は、臓器提供意思表示カード、健康保険証、運転免許証、マイナンバーカード、インターネットの登録で行える。看護師は、家族が極度の悲嘆の中で意思決定を迫られる場面に立ち会う。臓器提供を勧めるのでも避けるのでもなく、選択肢があることを情報として伝え、どの選択をしても尊重される環境をつくることが役割になる。院内の臓器移植コーディネーターや都道府県コーディネーターとの連携も重要である。
間違えやすい考え方
検査名を並べる型で、誤肢がいずれも神経系の検査である。何を測る検査かで切る。
5分で振り返る
①法的脳死判定の5項目=深昏睡・瞳孔散大固定・脳幹反射消失・平坦脳波・自発呼吸消失。②2人以上の医師が6時間以上(6歳未満は24時間以上)あけて2回。③脳死は脳幹を含む全脳の不可逆的機能停止。④植物状態は脳幹が機能し自発呼吸がある。⑤2010年改正で家族の承諾による提供と15歳未満の提供が可能に。
1分チェック
- 脳死判定に含まれる検査は何か。→ 脳波検査(平坦脳波)。
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