喀血を症状とする疾患はどれか。
公式正答:1
解説
喀血を症状とする疾患を問う。結核である。
この問題で問われていること
出血の部位と、その現れ方の対応を理解しているか。
しくみから理解する
喀血は気道からの出血が咳とともに口から出るもので、肺結核は代表的な原因疾患である。結核では、肺の組織が壊死して空洞を形成する過程で、空洞内を走る血管が破綻して出血する。血液は肺胞と気管支を通って出てくるため、鮮紅色で泡沫状、アルカリ性という性状を示す。ほかに喀血をきたす疾患として、気管支拡張症、肺癌、肺アスペルギルス症、肺塞栓症、僧帽弁狭窄症がある。
選択肢ごとの確認
上部消化管からの出血であり、吐血として現れる。胃酸の作用でコーヒー残渣様(暗褐色)となり、酸性で食物残渣を混じることがある。喀血との鑑別点になる。
下部消化管からの出血であり、血便や便潜血陽性として現れる。喀血ではない。
感染に対する制御されない反応により臓器障害をきたす病態である。播種性血管内凝固症候群を合併すれば全身の出血傾向を生じうるが、喀血を特徴的な症状とする疾患ではない。
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混同しやすいポイント
喀血と吐血の鑑別が要点である。喀血は鮮紅色・泡沫状・アルカリ性・咳嗽に伴う・食物残渣なし。吐血は暗赤色からコーヒー残渣様・非泡沫状・酸性・嘔吐に伴う・食物残渣を混じることがある。ただし大量喀血を飲み込んで吐くこともあり、実際には判別が難しい場合もある。
理解を深める
肺結核は、2類感染症として感染症法で規定され、診断した医師は直ちに保健所へ届け出る。空気感染するため、入院は結核病床のある医療機関で陰圧室管理とし、医療者はN95マスクを着用する。治療は多剤併用(イソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、エタンブトールなど)を6か月以上継続し、耐性菌の出現を防ぐために服薬の完遂が不可欠である。そのため直接服薬確認療法(DOTS)が行われる。副作用として、肝障害、末梢神経障害(イソニアジド、ビタミンB6併用で予防)、視神経障害(エタンブトール)、尿の橙赤色化(リファンピシン、無害だが事前説明が要る)がある。大量喀血時は、出血側を下にした側臥位として健側への血液の流入を防ぎ、窒息を回避する。
間違えやすい考え方
疾患と症状の対応を問う型で、誤肢が別の部位からの出血である。出血の部位と経路で切る。
5分で振り返る
①喀血=気道からの出血、鮮紅色・泡沫状・アルカリ性・咳に伴う。②結核は空洞形成の過程で血管が破綻。③他に気管支拡張症・肺癌・肺アスペルギルス症。④吐血は暗赤色〜コーヒー残渣様・酸性・嘔吐に伴う。⑤結核は2類感染症、直ちに届出、N95と陰圧室。⑥大量喀血は患側を下にして窒息を防ぐ。
1分チェック
- 喀血をきたす代表的な疾患は何か。→ 肺結核。
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