入院中の転倒・転落の内的要因はどれか。
公式正答:2
解説
入院中の転倒・転落の内的要因を問う。服用中の薬剤である。
この問題で問われていること
危険因子を、患者側の要因と環境側の要因に分けられるか。
しくみから理解する
転倒転落の要因は、患者自身に属する内的要因と、周囲の環境に属する外的要因に分けられる。内的要因には、加齢による筋力とバランスの低下、視力障害、認知機能の低下、めまい、失禁や頻尿、既往(脳血管障害、パーキンソン病)、そして服用中の薬剤がある。薬剤は身体の状態を変える点で患者側の要因に含まれる。睡眠薬、抗不安薬、抗精神病薬、抗うつ薬は、ふらつき、眠気、筋弛緩を起こす。降圧薬と利尿薬は起立性低血圧と夜間の排尿を増やす。血糖降下薬は低血糖によるふらつきを招く。
選択肢ごとの確認
外的要因である。スリッパやサンダルは脱げやすく、つま先が引っかかる。かかとが覆われ滑りにくい履物に替えることが対策になる。
外的要因である。柵の設置状況は環境の一部であり、乗り越えによる転落を招くこともあるため、数と位置は個別に検討する。
外的要因である。動線が長いほど移動中の転倒機会が増える。ベッドの配置やポータブルトイレの検討につながる。
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混同しやすいポイント
薬剤を内的要因に含めるかどうかで迷いやすい。薬剤そのものは外から与えられるが、作用するのは患者の身体であり、ふらつきや意識レベルの変化という患者側の状態を作る。したがって内的要因に分類する。この分類は、対策の立て方につながる。内的要因には処方の見直しや訓練、外的要因には環境整備で対応する。
理解を深める
入院中の転倒転落は、環境が変わること、疾患と治療により身体機能が落ちていること、点滴やドレーンで動きが制限されることが重なり、在宅より起こりやすい。入院時に転倒転落アセスメントスコアシートで危険度を評価し、危険度に応じた対策を立てる。しかし評価だけでは防げず、離床センサーの活用、頻回の訪室、夜間の照明、履物の確認、排泄パターンに合わせた誘導といった実際的な対応が要る。抑制は転倒を減らす根拠が乏しく、かえって身体機能と認知機能を悪化させるため、代替手段を尽くしたうえで最小限にとどめる。転倒が起きた場合は、頭部打撲の有無、抗凝固薬の内服、意識レベル、外傷を確認し、経過観察と報告を行う。
間違えやすい考え方
分類を問う型で、誤肢がすべて外的要因である。『患者の身体に属するか』という軸で切る。
5分で振り返る
①内的要因=筋力低下・バランス障害・視力・認知機能・めまい・失禁・既往・薬剤。②外的要因=履物・ベッド柵・動線・照明・床・段差。③睡眠薬と抗不安薬はふらつき、降圧薬と利尿薬は起立性低血圧と夜間排尿。④対策は内的=処方見直しと訓練、外的=環境整備。⑤抑制は根拠が乏しく最小限に。
1分チェック
- 薬剤は転倒転落のどちらの要因か。→ 内的要因(身体の状態を変えるため)。
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