1回の鼻腔内吸引で陰圧をかける時間の目安として適切なのはどれか。
公式正答:1
解説
1回の鼻腔内吸引で陰圧をかける時間の目安を問う。10秒以内である。
この問題で問われていること
吸引の害を理解し、実施時間の制限の理由を説明できるか。
しくみから理解する
吸引は、分泌物とともに気道内の空気と酸素も吸い出す。陰圧をかけている間、患者は有効な換気ができないため、時間が長いほど低酸素血症が進む。加えて、迷走神経反射による徐脈、粘膜の損傷、気道内圧の低下による無気肺、頭蓋内圧の上昇といった害も生じる。これらを避けるため、1回の吸引で陰圧をかける時間は10〜15秒以内、目安として10秒以内にとどめる。足りなければ、いったん休んで呼吸を整えてから繰り返す。
選択肢ごとの確認
長すぎる。この時間になると低酸素血症のリスクが明らかに高まる。SpO2の低下、チアノーゼ、徐脈が生じうる。
著しく長い。危険であり、実施してはならない時間である。
同様に危険である。1分近く換気を妨げることになる。
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混同しやすいポイント
『しっかり吸い取ろう』として時間を延ばす発想が、そのまま危険につながる。長く吸うのではなく、短く区切って必要なら繰り返す、という原則を持つ。同様に、圧を上げれば取れると考えるのも誤りになる。気管吸引ガイドライン2023[改訂第3版]では、推奨される吸引圧は200mmHg(約26.6kPa)以下とされている。上限に近い値を通常の設定にすると粘膜を傷める。
理解を深める
吸引は必要なときにだけ行う手技であり、定時に機械的に実施するものではない。実施の判断材料は、副雑音の聴取、SpO2の低下、努力呼吸、分泌物の貯留音、患者の訴えである。鼻腔内吸引ではカテーテルを鼻腔から咽頭まで挿入するため、粘膜の損傷と出血に注意し、挿入時は陰圧をかけない。実施前後にSpO2と呼吸状態を観察し、必要に応じて実施前に酸素化を行う。口腔・鼻腔内は清潔操作、気管内は無菌操作という区別も押さえる。分泌物が粘稠な場合は、加湿、体位ドレナージ、水分摂取を組み合わせ、吸引以外の方法で排出を助ける。
間違えやすい考え方
数値を問う型で、選択肢が10秒刻みで並ぶ。上限の値を持っていれば一択になる。
5分で振り返る
①陰圧をかけている間は換気できず低酸素になる。②1回10〜15秒以内、目安は10秒。③足りなければ休んでから繰り返す。④陰圧は必要な分泌物を除ける最小の圧で行う。気管吸引ガイドライン2023[改訂第3版]では、推奨される吸引圧は200mmHg(約26.6kPa)以下とされている。⑤挿入時は陰圧をかけない。⑥口腔・鼻腔は清潔操作、気管内は無菌操作。⑦定時ではなく必要時に行う。
1分チェック
- 1回の吸引で陰圧をかける時間は。→ 10秒以内(長くても15秒)。
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