フィンク, S. L. Fink, S. L. が提唱した危機モデルの最終段階はどれか。
公式正答:2
解説
フィンクが提唱した危機モデルの最終段階を問う。適応である。
この問題で問われていること
危機モデルの段階を、順序をつけて把握しているか。
しくみから理解する
フィンクの危機モデルは、外傷性脊髄損傷によって突然に障害を負った人の観察から導かれたもので、4つの段階からなる。第1段階は衝撃で、強い不安、混乱、パニック、思考の混乱が現れる。第2段階は防御的退行で、現実から目を背け、否認や現実逃避、願望的思考によって自分を守ろうとする。第3段階は承認で、現実に直面し、深い悲しみ、抑うつ、無力感を経験する。この段階が最もつらく、自殺の危険が高まる時期でもある。第4段階が適応で、新しい自己像と価値を見出し、現実的な目標に向かって進み始める。したがって最終段階は適応である。
選択肢ごとの確認
受容は、キューブラー・ロスの死にゆく人の心理過程(否認と孤立、怒り、取引、抑うつ、受容)の最終段階である。危機モデルと死の受容過程を混同しやすいが、提唱者も対象も異なる。
アギュララとメズィックの問題解決型危機モデルに関わる概念である。このモデルでは、出来事の現実的な認知、適切な社会的支持、適切な対処機制という3つのバランス保持要因が備わっていれば危機が回避され、欠けていれば危機に陥るとする。フィンクのモデルの段階名ではない。
援助者と対象者の間に築かれる信頼関係を指す語で、危機モデルの段階ではない。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
危機理論と喪失の理論は混同されやすい。フィンク=衝撃・防御的退行・承認・適応(障害受容の過程)。キューブラー・ロス=否認と孤立・怒り・取引・抑うつ・受容(死にゆく人の心理)。アギュララとメズィック=問題解決型(3つのバランス保持要因)。コーン=ショック・回復への期待・悲嘆・防衛・適応。提唱者と段階名をセットで覚える。
理解を深める
看護は段階によって変わる。衝撃の段階では、そばにいること、安全を確保すること、簡潔で確実な情報を伝えることが中心になる。防御的退行の段階では、否認を無理に崩さず、その人のペースを尊重しながら見守る。承認の段階では、深い悲しみに寄り添い、感情の表出を受け止め、自殺のリスクを評価する。この時期に安易な励ましをすると、理解されていないと感じさせて関係を損なう。適応の段階では、具体的な目標設定、リハビリテーション、社会資源の活用、同じ経験を持つ人との交流(ピアサポート)を支援する。段階は一方向に進むとは限らず、行きつ戻りつすることも多い。看護師自身が『早く前を向いてほしい』という期待を持つと、その人のペースを乱すことになる点にも注意が要る。
間違えやすい考え方
モデルの段階を問う型で、誤肢が別の理論の用語で構成されている。提唱者と段階名を対で持つ。
5分で振り返る
①フィンクの危機モデル=衝撃・防御的退行・承認・適応の4段階。②承認の段階が最もつらく自殺のリスクが高い。③キューブラー・ロスは否認と孤立・怒り・取引・抑うつ・受容。④アギュララとメズィックは問題解決型(3つのバランス保持要因)。⑤段階は行きつ戻りつする。⑥承認の段階での安易な励ましは避ける。
1分チェック
- フィンクの危機モデルの最終段階は。→ 適応(衝撃→防御的退行→承認→適応)。
この問題に対応する教材の確認中です。