人工肛門周囲の皮膚を清潔にする方法で適切なのはどれか。
公式正答:1
解説
人工肛門周囲の皮膚を清潔にする方法で適切なものを問う。装具を外して洗浄することである。
この問題で問われていること
皮膚障害を防ぐという目的から、適切な方法を導けるか。
しくみから理解する
ストーマ周囲の皮膚は、排泄物の付着、面板の粘着剤、剥離時の物理的刺激によって障害を受けやすい。清潔を保つには、装具を外して皮膚を露出させ、微温湯でこすらずに洗い流す。日常のケアはこれで足りる。汚れが落ちにくいときは、刺激の少ない石けんをよく泡立てて、泡で汚れを包むように洗い、微温湯で十分に洗い流す。石けん成分が残ると皮膚障害の原因になるため、すすぎを丁寧に行う。装具をつけたまま周囲だけを拭いても、面板の下の皮膚は洗えない。装具交換のたびに、皮膚の発赤、びらん、掻痒、痛みの有無を観察することが、早期発見につながる。
選択肢ごとの確認
使用してよい。この選択肢が誤りなのは、石けんを一律に禁じている点になる。日常のケアは微温湯だけで洗えば足りるとされており、石けんは必要に応じて用いる選択肢の一つになる。用いる場合は、刺激が少なく残らないものをよく泡立て、こすらずに洗って十分にすすぐ。
消毒は不要である。ストーマは創ではなく、粘膜が体表に出た状態であり、日常的に消毒する対象ではない。消毒薬は皮膚のバリア機能を損ない、かえって皮膚障害を招く。清潔の基本は洗浄である。
熱風による熱傷の危険があり、また過度の乾燥は皮膚を傷める。柔らかいタオルやティッシュで押さえるようにして水分を取り、自然乾燥させる。面板は皮膚が乾いた状態で貼らないと粘着が保てないため、乾かすこと自体は必要だが、方法が不適切である。
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混同しやすいポイント
『創ではないから消毒しない』という点が要点になる。ストーマは腸粘膜であり、赤くて湿っているのが正常である。痛覚がないため、傷ついても本人は気づかない。手術直後を除き、日常のケアは洗浄と観察で足りる。過剰なケア(消毒、強くこする、熱風で乾かす)が皮膚障害の原因になる、という逆説がこの設問の核にある。
理解を深める
ストーマケアの指導では、装具の選択と交換の手技、皮膚の観察、排泄物の処理、入浴(装具をつけたままでも外してでも入浴できる)、食事(極端な制限は不要だが、においやガスを増やす食品、閉塞を起こしやすい食品の情報は伝える)、衣類、就労や旅行、災害への備え(装具の予備の保管)を扱う。心理的な適応も大きな課題で、ボディイメージの変化、においや漏れへの不安、性生活への影響を抱える。オストメイトの当事者団体やピアサポートの紹介、皮膚・排泄ケア認定看護師との連携が有効である。身体障害者手帳の対象となり(永久的なストーマの場合)、装具の給付が受けられることも伝える。合併症としては、ストーマ壊死、陥没、脱出、傍ストーマヘルニア、狭窄、皮膚障害があり、装具交換時の観察が発見の機会になる。
間違えやすい考え方
方法を問う型で、誤肢が『やりすぎ』の方向(消毒、ドライヤー)と『やらなさすぎ』の方向(石けん不使用)で構成されている。目的から導く。
5分で振り返る
①装具を外して洗浄する(つけたままでは面板の下が洗えない)。②微温湯でこすらずに洗えば日常のケアは足りる。石けんは必要に応じて用い、使う場合は刺激の少ないものを泡立て、こすらず洗って十分にすすぐ。③消毒は不要(ストーマは創ではない)。④ドライヤーは熱傷と乾燥のため使わない、押さえ拭きで自然乾燥。⑤交換のたびに皮膚を観察する。⑥ストーマには痛覚がないので本人は異常に気づかない。
1分チェック
- ストーマ周囲の皮膚はどう洗うか。→ 装具を外して、弱酸性の石けんの泡でこすらず洗い、十分にすすぐ。
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