胃瘻からの経管栄養を行う在宅療養者の家族に説明する内容で正しいのはどれ か。
公式正答:1
解説
胃瘻からの経管栄養を行う在宅療養者の家族に説明する内容で正しいものを問う。流動(ミキサー)食は注入できることである。
この問題で問われていること
在宅での実際の運用を、原則と例外を含めて把握しているか。
しくみから理解する
胃瘻からは、市販の経腸栄養剤だけでなく、家庭の食事をミキサーにかけた流動食(ミキサー食)も注入できる。半固形化した栄養剤やミキサー食には、胃食道逆流の減少、下痢の改善、注入時間の短縮、腸蠕動の生理的な刺激といった利点があり、在宅では広く行われている。家族の食事と同じものを分けて食べるという意味を持つこともあり、療養者と家族の生活に沿ったケアになる。ただし、粘度が高いため、カテーテルの太さ、注入器具、衛生管理(作り置きをしない、清潔な調理)に注意が要る。
選択肢ごとの確認
日常的な消毒は不要である。造設直後の創が治癒するまでを除き、瘻孔周囲は石けんと微温湯で洗って清潔を保ち、乾燥させる。入浴も可能である。消毒薬の連用はかえって皮膚を傷め、肉芽の形成や感染の温床になりうる。
頻度が違う。交換は種類によって異なり、バルーン型はおおむね1〜2か月ごと、バンパー型は4〜6か月ごとが目安である。交換は医師が行う(在宅では訪問診療で実施されることが多い)。週1回の交換は不要であり、瘻孔を傷める。
角度が不足している。胃食道逆流と誤嚥を防ぐため、注入中および注入後30分から1時間は、上体を30〜45度以上、可能であれば座位に近い姿勢を保つ。15度では逆流を防ぐには不十分である。
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混同しやすいポイント
『消毒する』『頻繁に交換する』という、丁寧に見える対応が誤りになる点が要点である。瘻孔は創ではなく、皮膚と胃をつなぐ安定した通り道になっている。過剰な処置がかえって害になるという構図は、ストーマケアと同じである。また体位の角度は、30度以上という数値で覚える。
理解を深める
胃瘻カテーテルが抜けた場合、家族が一律に代用品を挿入してよいとは説明しない。造設後の期間、瘻孔の成熟、器具、訓練、施設プロトコルを確認し、直ちに医療機関へ連絡する。未成熟瘻孔への盲目的再挿入は腹腔内誤挿入と腹膜炎を起こし得る。成熟瘻孔でも、訓練済みで明確な指示がある場合だけ一時的な瘻孔保持を行い、位置確認前に注入しない。
間違えやすい考え方
『正しいのはどれか』型で、誤肢が過剰な処置、頻度の誤り、角度の不足で構成されている。実際の運用で切る。
5分で振り返る
①抜去時は造設日と瘻孔成熟を確認する。②未成熟瘻孔へ盲目的に再挿入しない。③直ちに施設へ連絡し、抜去時刻と状態を伝える。④一時的保持は成熟瘻孔・訓練・個別指示がそろう場合だけ。⑤位置確認前は栄養剤・水・薬剤を注入しない。
1分チェック
- 胃瘻からミキサー食は注入できるか。→ できる(半固形化には逆流と下痢を減らす利点もある)。
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