伝音性難聴について正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
伝音性難聴について正しいものを問う。鼓膜穿孔は原因となることである。
この問題で問われていること
音の伝わる経路のどこが障害されるかで、難聴の型を区別できるか。
しくみから理解する
音は、外耳道から鼓膜へ届き、鼓膜の振動が耳小骨(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)で増幅されて内耳(蝸牛)へ伝えられる。この外耳から中耳までの伝導路の障害によるものが伝音性難聴である。鼓膜穿孔では、鼓膜が振動を受け止める面積が減り、また中耳腔と外耳道が交通して圧の差がなくなるため、振動の伝達効率が落ちて難聴を生じる。ほかの原因として、耳垢栓塞、外耳道閉鎖、滲出性中耳炎、慢性中耳炎、耳硬化症(アブミ骨の固着)がある。伝音性難聴は、原因を取り除けば改善することが多く、補聴器の効果も得られやすい。
選択肢ごとの確認
加齢性難聴(老人性難聴)は感音性難聴である。蝸牛の有毛細胞の減少と聴神経の変性により、高音域から聞こえにくくなり、語音の弁別が低下する。うるさい場所で聞き取りにくい、聞こえてはいるが何と言ったか分からない、という訴えになる。
それは感音性難聴の説明である。内耳(蝸牛)、聴神経、中枢の障害によるもので、突発性難聴、メニエール病、聴神経腫瘍、騒音性難聴、薬剤性難聴が含まれる。伝音性難聴は外耳と中耳の障害である。
アミノグリコシド系抗菌薬(ストレプトマイシン、ゲンタマイシンなど)は内耳の有毛細胞を傷害するため、生じるのは感音性難聴である。同じく腎障害も起こす。副作用としての難聴は不可逆なことが多く、投与中は聴力とめまいの観察が必要になる。シスプラチン、ループ利尿薬、大量のサリチル酸も内耳への毒性を持つ。
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混同しやすいポイント
『外耳・中耳=伝音性』『内耳より奥=感音性』という一線で切る。誤肢3つがすべて感音性難聴の内容であり、この一線を持っていれば全部落とせる。検査での区別も押さえる。リンネ試験(気導と骨導の比較)とウェーバー試験(骨導音がどちらに偏るか)で、伝音性難聴では患側に偏り、感音性難聴では健側に偏る。オージオグラムでは、伝音性は気導と骨導に差(気骨導差)があり、感音性は両方が同程度に低下する。
理解を深める
難聴のある人とのコミュニケーションでは、まず型と程度を把握する。伝音性難聴では音量を上げることが有効だが、感音性難聴では音を大きくしても語音の弁別が改善しないことがあり、大声で話すとかえって聞き取りにくくなる。有効なのは、正面から顔を見せて話す(読話の手がかりになる)、ゆっくり区切って話す、低めの声で話す、静かな環境をつくる、要点を書いて示す、といった工夫である。補聴器を使っている場合は、電池と装用の状態を確認する。高齢者の難聴は、社会的な孤立、抑うつ、認知機能の低下と関連することが指摘されており、聞こえの評価と支援は生活全体に関わる。小児では、難聴が言語発達に直結するため、新生児聴覚スクリーニングによる早期発見と早期介入が行われている。
間違えやすい考え方
難聴の型を問う型で、誤肢がすべて感音性難聴の内容である。障害部位の一線で切る。
5分で振り返る
①伝音性難聴=外耳・中耳の障害(鼓膜穿孔、耳垢栓塞、滲出性中耳炎、耳硬化症)。②感音性難聴=内耳より中枢側(加齢性、突発性、メニエール病、騒音性、薬剤性)。③アミノグリコシド系・シスプラチン・ループ利尿薬は内耳毒性で感音性。④ウェーバー試験は伝音性で患側、感音性で健側に偏る。⑤伝音性は気骨導差がある。⑥感音性では大声より、正面から・ゆっくり・低めの声で。
1分チェック
- 伝音性難聴の原因はどこの障害か。→ 外耳と中耳(鼓膜穿孔、耳垢栓塞、中耳炎、耳硬化症)。
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