要支援1の認定を受けた高齢者が、介護予防通所リハビリテーションの利用を開 始した。「普段からトイレに何度も行く」と頻尿を気にしている。 施設にいる看護師の援助で適切なのはどれか。
公式正答:1
解説
介護予防通所リハビリテーションの利用を始めた高齢者が、頻尿を気にしている状況での援助を問う。施設のトイレの場所を一緒に確認することである。
この問題で問われていること
要支援1という自立度を読み、その人の力を損なわない援助を選べるか。
しくみから理解する
要支援1は、介護に要する時間の推計から定まる区分で、日常生活の基本的な動作はおおむね自分でできるが、生活の一部に支援を要する状態にあたる。ただし区分は、その人の歩行や排泄、更衣の自立を保証するものではなく、事例にもこれらの動作についての記載はない。分かっているのは、本人が「普段からトイレに何度も行く」と述べ、それを気にしていることになる。気にしているのは頻尿そのものであり、慣れない場所で「間に合わなかったらどうしよう」という不安が背景にある。トイレの場所を一緒に確認しておけば、必要なときに自分で行けるという見通しが立ち、不安が減り、活動への参加も妨げられない。本人の力を使いながら、環境を整えるという援助になる。
選択肢ごとの確認
歩行が自立している人を車椅子で移送すれば、その人の歩行能力を使う機会を奪い、生活不活発病を促すことになる。介護予防を目的とした施設で、廃用を招く援助をすることになり、目的と逆行する。
排泄が自立している人にオムツを勧めることは、自尊心を大きく傷つけ、かつ排泄の自立を損なう。皮膚障害や尿路感染のリスクも増える。オムツは、他の手段では対応できない場合に、本人と相談して選ぶものである。
衣類の上げ下ろしができている人に介助を行えば、その動作の能力を失わせる。困難があるかを確認せずに介助を始めるのは、アセスメントを欠いた対応になる。困難があるなら、介助よりも先に、着脱しやすい衣類への変更を提案する。
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混同しやすいポイント
誤肢はいずれも『親切に見えて自立を奪う』援助である。要支援1という情報が、どの程度自分でできる人なのかを示している。介護度の区分を読み、その人ができることを代わりにやらないことが、この型の判断の基準になる。介護予防の場では、できることを続けてもらうこと自体が目的になる。
理解を深める
高齢者の頻尿には、複数の原因がありうる。過活動膀胱、前立腺肥大症(男性)、骨盤底筋の脆弱化(女性)、尿路感染症、糖尿病、心不全(夜間の体液移動)、利尿薬の服用、カフェインの摂取、そして不安による心理的な要因である。まずは、いつから、1日何回、夜間は何回、量はどうか、失禁はあるか、痛みや残尿感はあるかを確認する。排尿日誌をつけてもらうと客観的な情報が得られる。援助としては、トイレの場所と経路の確認、夜間の照明、着脱しやすい衣類、骨盤底筋訓練、水分の摂取時間の調整(総量は減らさない)がある。カフェインとアルコールは膀胱を刺激するため、摂取の状況を確認する。頻尿は、外出や社会参加を控える理由になりやすく、そこから活動量の低下と閉じこもりにつながる。この連鎖を断つことが、介護予防としての意味を持つ。恥ずかしさから相談しにくい領域であるため、看護師から尋ねる姿勢が重要になる。
間違えやすい考え方
『適切なのはどれか』型で、誤肢がすべて過剰な介助である。介護度が示す自立度で切る。
5分で振り返る
①要支援1は基本的な動作はおおむね自立、生活の一部に支援。②できることを代わりにやらない(車椅子移送・オムツ・更衣介助は自立を奪う)。③頻尿の原因は過活動膀胱・前立腺肥大・尿路感染・糖尿病・利尿薬・カフェイン・不安と多様。④排尿日誌で客観的に把握する。⑤水分は総量を減らさず時間を調整。⑥頻尿は外出を控える理由になり閉じこもりにつながる。
1分チェック
- 要支援1で頻尿を気にする人への援助は。→ トイレの場所を一緒に確認する(自分で行ける見通しをつくる)。
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