標準的な成長・発達をしている4歳の男児に対して採血を行う。看護師が男児に 採血についてのプレパレーションを実施した。 その後に伝えることで適切なのはどれか。
公式正答:3
解説
4歳男児への採血に際してプレパレーションを実施した後に伝えることを問う。「何か聞きたいことはないかな」である。
この問題で問われていること
プレパレーションの目的を、一方向の説明で終わらせないという点から理解しているか。
しくみから理解する
プレパレーションは、子どもがこれから受ける処置について、発達段階に応じた方法で理解できるように準備を整え、心理的な混乱を和らげ、対処する力を引き出す関わりである。人形や絵本、写真、実際の物品を使って説明する。ただし、説明して終わりではない。子どもが何を理解し、何を怖いと感じ、何を知りたいと思っているかを確かめることで、初めてその子に合った支援ができる。問いかけは、子どもを説明の受け手ではなく、自分のことに関わる一人として扱う姿勢の表れでもある。
選択肢ごとの確認
事実と異なることを伝えてはならない。実際に痛みがあれば、子どもは「嘘をつかれた」と感じ、医療者への信頼を失う。次の処置への恐怖も強まる。「チクッとするけど、すぐ終わるよ」のように、正直に、その子が分かる言葉で伝える。
励ましのつもりでも、子どもの気持ちを聞かずに一方的に終わらせる言葉になる。また実際に時間がかかった場合、これも約束を破ったことになる。時間を伝えるなら、子どもが分かる基準(歌を1回歌う間くらい)で伝える工夫がある。
恐怖によって従わせる言葉であり、不適切である。4歳は前操作期にあたり、病気を自分の悪い行いの罰と捉えることがある。この言葉はその思考を強め、罪悪感を与える。処置は罰ではないことを伝える必要がある。
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混同しやすいポイント
3つの誤肢は、いずれも『大人の側が処置をスムーズに終わらせる』ための言葉である。プレパレーションの目的は、処置を円滑に進めることではなく、子どもが自分なりに理解し、対処できるようにすることにある。この目的の違いが、選択の分かれ目になる。子どもの側に立つ言葉はどれか、という視点で読む。
理解を深める
4歳は前操作期にあたり、自己中心性、アニミズム、因果関係の理解の未熟さが特徴になる。したがって説明は、具体的な物を見せて、短く、その子の言葉で行う。「腕にお薬を調べるための細いストローを入れて、血を少しもらうよ」といった伝え方をする。処置中は、親の同席(本人と親の意向を確認して決める)、ディストラクション(好きな歌、シャボン玉、絵本、タブレット)、抱っこの姿勢(押さえつけるより保護者の膝の上のほうが落ち着くことがある)を活用する。処置後は、頑張ったことを具体的にほめ、遊びを通じて経験を表現できる機会(プレイセラピー、医療遊び)をつくる。プレパレーションは、処置前・中・後の一連の関わりであり、事前の説明だけを指すのではない。就学前の子どもでは、処置を罰と受け取ることがあるため、「悪いことをしたからではない」と明確に伝えることも重要になる。
間違えやすい考え方
『適切なのはどれか』型で、誤肢がすべて大人の都合の言葉である。目的(子どもが理解し対処できるように)で切る。
5分で振り返る
①プレパレーションは発達段階に応じた準備で、子どもの対処する力を引き出す。②説明の後は問いかけて理解と気持ちを確かめる。③嘘をつかない(痛みは正直に伝える)。④恐怖で従わせない。⑤4歳は前操作期、処置を罰と受け取ることがある。⑥処置中はディストラクションと親の同席、後は具体的にほめる。⑦処置前・中・後の一連の関わりである。
1分チェック
- プレパレーションの後に伝えることは。→ 子どもの疑問や気持ちを問いかける(一方向の説明で終わらせない)。
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