保護者による子どもへの虐待に対する外来の看護師の対応で適切なのはどれか。
公式正答:3
解説
保護者による子どもへの虐待に対する外来の看護師の対応で適切なものを問う。子どもや保護者の発言内容や様子を記録に残すことである。
この問題で問われていること
記録が果たす役割を、後の対応と保護につながるものとして理解しているか。
しくみから理解する
虐待が疑われる場面では、その時点で見聞きしたことを、事実として正確に記録することが極めて重要になる。記録は、①経過を追って状況の変化を把握する、②多職種と情報を共有する、③通告や一時保護の判断材料になる、④後の司法手続きで証拠となる、という役割を持つ。記録する内容は、傷や所見の部位・大きさ・色・形、受傷機転についての説明(保護者の説明と子どもの説明、説明の変遷)、子どもと保護者の言葉(そのまま引用符で)、両者の様子と関わり方である。解釈や推測ではなく、観察した事実を書く。
選択肢ごとの確認
子どもの生命と安全に関わる場面では、保護者の同意がなくても全身を観察する。虐待では、衣類で隠れる部位(体幹、大腿内側、耳の後ろ、頭皮)に傷があることが多く、同意を条件にすると加害者が観察を拒めてしまう。診療の一環として観察し、所見を記録する。
逆である。虐待への対応は一人では担えない。医師、他の看護師、医療ソーシャルワーカー、児童相談所、市町村の担当課との情報共有が不可欠になる。児童虐待の防止等に関する法律では、通告と情報提供は守秘義務違反にあたらないと明記されており、個人情報保護法も、児童の生命・身体の保護に必要な場合は本人の同意なく第三者へ提供できることを認めている。
保護者の同席は避ける。子どもは、保護者の前では本当のことを話せない。話した後に叱責や暴力を受ける危険もある。子どもから話を聞くときは、保護者と分けて、子どもが安心できる環境で、誘導しない開かれた問いで行う。ただし詳細な聴取を繰り返すことは子どもの負担になるため、司法面接の考え方に沿って、専門機関に委ねる部分を意識する。
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混同しやすいポイント
選択肢1と2は、いずれも『同意』『プライバシー』という、通常なら重視すべき原則を持ち出している。虐待の場面では、子どもの生命と安全がそれらに優先する。この優先順位が、この設問の核心にある。原則には例外があり、その例外が法に明記されているという構造を理解しておく。
理解を深める
虐待が疑われる子どもの診察は、安全確保と証拠保全を急ぐ一方、全身診察を常に保護者同意なしで行えるとは一般化しない。緊急性、子どもの意思能力とアセント、親権者の同意、児童相談所等の法的権限、施設手順を確認する。生命・身体の緊急事態では必要な診療を優先し、非緊急時はトラウマに配慮した説明と同意手続きを行う。
間違えやすい考え方
『適切なのはどれか』型で、誤肢が通常なら正しい原則(同意、プライバシー)を持ち出している。子どもの安全が優先することで切る。
5分で振り返る
①まず安全確保と通告・院内連携。②診察同意を一律に不要としない。③緊急性、子どものアセント、親権者、保護機関の権限を確認する。④生命・身体の緊急時は必要な診療を優先する。⑤写真・全身診察は施設手順と法的根拠に従い、トラウマに配慮して記録する。
1分チェック
- 虐待が疑われるとき、外来看護師がすべきことは。→ 見聞きした事実を正確に記録する(解釈ではなく観察を書く)。
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