事業主は雇用している女性労働者が妊婦健康診査を受けるために必要な時間を確 保できるようにしなければならないと規定している法律はどれか。
公式正答:3
解説
事業主は雇用している女性労働者が妊婦健康診査を受けるために必要な時間を確保できるようにしなければならないと規定している法律を問う。男女雇用機会均等法である。
この問題で問われていること
母性保護の規定が、どの法律に置かれているかを区別できるか。
しくみから理解する
男女雇用機会均等法は、雇用の分野における性別を理由とする差別の禁止に加えて、妊娠中および出産後の女性労働者の健康管理に関する措置を定めている。具体的には、保健指導または健康診査を受けるために必要な時間を確保すること、また、医師等から指導を受けた場合には、勤務時間の変更や勤務の軽減など必要な措置を講じることを事業主に義務づけている。母性健康管理指導事項連絡カードは、この規定に基づき、医師の指導内容を事業主に伝えるための様式である。
選択肢ごとの確認
母体保護法は、不妊手術および人工妊娠中絶に関する事項と、受胎調節の実地指導について定める法律である。労働に関する規定は含まない。
労働基準法は、産前産後休業(産前6週間・多胎は14週間、産後8週間)、妊産婦の危険有害業務の就業制限、坑内業務の就業制限、軽易業務への転換、時間外・休日労働および深夜業の制限、育児時間(1日2回各30分以上)を定める。休業と就業制限が中心であり、健康診査を受ける時間の確保は男女雇用機会均等法の規定である。
育児・介護休業法は、育児休業、介護休業、子の看護等休暇、介護休暇、所定外労働の制限、短時間勤務などを定める。出産後の育児期を支える法律であり、妊娠中の健康診査の時間確保は対象としていない。
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混同しやすいポイント
母性保護に関わる規定が3つの法律に分かれている点が、この設問の難しさになる。整理すると、労働基準法=産前産後休業・就業制限・育児時間(働き方そのものの制限)、男女雇用機会均等法=健康診査の時間確保・医師の指導に基づく措置(健康管理)、育児・介護休業法=育児休業・介護休業・短時間勤務(仕事と家庭の両立)。『健康管理は均等法』と覚えると区別しやすい。
理解を深める
妊婦健康診査の受診回数の目安は、妊娠23週までは4週間に1回、24〜35週は2週間に1回、36週以降は1週間に1回で、合計14回程度になる。均等法は、この受診に必要な時間を確保することを事業主に求めている。市町村は、母子保健法に基づき妊婦健康診査の費用の助成を行う。働きながら妊娠期を過ごす人には、つわり、切迫早産、妊娠高血圧症候群といった体調の変化に加え、通勤の負担、業務内容、職場の理解という課題がある。妊娠・出産・育児休業等を理由とする不利益取扱い(いわゆるマタニティハラスメント)は、均等法と育児・介護休業法により禁止されており、事業主には防止措置を講じる義務がある。看護師が関わる場面としては、外来での就労状況の確認、母性健康管理指導事項連絡カードの活用の案内、産業保健との連携がある。制度を知っていることが、その人が働き続ける選択を支える。
間違えやすい考え方
根拠法を問う型で、誤肢がいずれも母性や育児に関わる法律である。健康管理か、働き方の制限か、両立支援かで切る。
5分で振り返る
①均等法=健康診査の時間確保、医師の指導に基づく措置(母性健康管理指導事項連絡カード)。②労働基準法=産前6週・産後8週の休業、就業制限、育児時間(1日2回各30分以上)。③育児・介護休業法=育児休業、介護休業、短時間勤務。④母体保護法=不妊手術と人工妊娠中絶。⑤妊婦健診はおおむね14回、費用は市町村が助成。⑥妊娠等を理由とする不利益取扱いは禁止されている。
1分チェック
- 妊婦健康診査の時間確保を定めるのはどの法律か。→ 男女雇用機会均等法。
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