子宮口全開大のときに破水した。 この破水はどれか。
公式正答:4
解説
子宮口全開大のときに破水した場合、この破水がどれにあたるかを問う。適時破水である。
この問題で問われていること
破水の分類を、分娩の進行との時間的な関係で把握しているか。
しくみから理解する
破水は、卵膜が破れて羊水が流出することをいい、分娩の進行のどの時点で起こったかによって分類される。子宮口が全開大に達した時点、すなわち分娩第1期の終わりから第2期の始まりにかけて起こる破水を適時破水といい、これが本来の経過である。分娩が進んで児頭が下降し、卵膜にかかる圧が高まって破れるという生理的な流れに沿っている。破水後は陣痛が強まり、分娩が進行する。
選択肢ごとの確認
前期破水は、陣痛が発来する前に破水したものをいう。妊娠37週以降であれば多くは自然に陣痛が始まるが、感染(絨毛膜羊膜炎)と臍帯脱出のリスクが生じるため管理を要する。37週未満では早産期前期破水といい、児の未熟性と感染の両方を考えた管理が必要になる。
早期破水は、陣痛は始まっているが子宮口が全開大に至る前に破水したものをいう。分娩の進行に対して早い時期の破水であり、これも感染と臍帯脱出に注意する。
遅滞破水は、子宮口が全開大を過ぎても卵膜が破れず、児が卵膜に包まれたまま娩出に向かう状態をいう。人工破膜を行うことがある。
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混同しやすいポイント
『何を基準に早い・遅いと言っているか』を押さえる。基準は、陣痛の発来と子宮口の全開大の2点である。陣痛前=前期破水、陣痛後で全開大前=早期破水、全開大時=適時破水、全開大を過ぎても破れない=遅滞破水。『適時』が正常であることを軸に、前後に振り分けると整理できる。
理解を深める
破水が起こったら、まず臍帯脱出の有無を確認する。臍帯が児頭より先に下降して腟内や外陰部に脱出すると、児頭と骨盤に挟まれて臍帯が圧迫され、胎児への血流が途絶えて短時間で胎児死亡に至る。とくに児頭が骨盤に固定していない状態(骨盤位、横位、児頭浮動)での破水では危険が高い。脱出を認めた場合は、直ちに児頭を押し上げて臍帯の圧迫を解除し、骨盤高位(トレンデレンブルク体位)または胸膝位をとり、緊急帝王切開に備える。臍帯を戻そうとしない、露出した臍帯は乾燥させないよう温めた生理食塩水のガーゼで覆う、といった対応も併せて覚える。破水後は感染の予防のため、入浴を避け、清潔なパッドを使用し、体温と羊水の性状(悪臭、混濁)、母体の頻脈、胎児心拍数を観察する。羊水が緑色に混濁している場合は胎便による混濁であり、胎児機能不全を疑い、出生時の胎便吸引症候群に備える。
間違えやすい考え方
分類を問う型で、誤肢がすべて破水の別の分類である。陣痛の発来と全開大という2つの基準で切る。
5分で振り返る
①適時破水=子宮口全開大の頃の破水で正常な経過。②前期破水=陣痛発来前。③早期破水=陣痛後で全開大前。④遅滞破水=全開大を過ぎても破れない。⑤破水したらまず臍帯脱出を確認する。⑥脱出時は児頭を押し上げ骨盤高位、緊急帝王切開に備える。⑦破水後は感染予防、体温・羊水の性状・胎児心拍を観察。⑧羊水の緑色混濁は胎便によるもの。
1分チェック
- 子宮口全開大での破水は何と呼ぶか。→ 適時破水(本来の経過)。
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