精神疾患の治療を受けている人との共同創造〈コプロダクション〉で正しいのはど れか。
公式正答:3
解説
精神疾患の治療を受けている人との共同創造(コプロダクション)で正しいものを問う。治療やケアの計画から提供まで医療者と患者がともに関わることである。
この問題で問われていること
協働の程度を、他の関わり方と段階として区別できるか。
しくみから理解する
共同創造(コプロダクション)は、サービスを提供する側と受ける側という関係を超えて、計画の立案、内容の決定、提供、評価、改善のすべての段階に、当事者が対等な立場で関わることを指す。当事者は、専門職とは異なる、経験に基づく知識(経験専門性)を持つ人として位置づけられる。単に意見を聞かれるのではなく、意思決定の場に加わり、ともにつくる点が特徴になる。精神保健の領域では、サービスの設計、職員研修、政策提言、研究にまで広がっている。
選択肢ごとの確認
医療者の指示に従うという関係は、パターナリズム(父権主義)に基づく従来型のあり方である。共同創造の対極にある。
十分な説明を受けることは、インフォームドコンセントの説明にあたる。情報が一方向に流れる段階であり、重要ではあるが、ともにつくる段階には至っていない。なお、説明を受けたうえで話し合って決めるのは共同意思決定(シェアードディシジョンメイキング)で、共同創造の一部と位置づけられる。
自ら助けを求めることが難しい人へ積極的に働きかける支援は、アウトリーチである。訪問支援やACT(包括型地域生活支援プログラム)がこれにあたる。届きにくい人へ支援を届ける方法の話であり、協働の程度を示す概念ではない。
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混同しやすいポイント
関わりの段階として整理すると分かりやすい。①指示に従う(パターナリズム)→②説明を受ける(インフォームドコンセント)→③一緒に決める(共同意思決定)→④一緒につくる(共同創造)。段階が上がるほど、当事者の関与の範囲と権限が広がる。誤肢はそれぞれ別の段階、あるいは別の軸(アウトリーチ=届け方)の話になっている。
理解を深める
共同創造が成り立つには、いくつかの条件が要る。当事者が経験を語れる安全な場、専門職側が『教える立場』を手放す姿勢、当事者の関与に対する正当な対価と役割、そして時間である。形だけ当事者を委員に加えて意見を聞く『お飾りの参加』は共同創造ではない。日本では、当事者研究、ピアサポーターの雇用、当事者と専門職が共同で行う研修(コプロダクション型研修)といった実践が広がりつつある。看護師にとっては、日々の関わりのなかで、ケア計画を患者と一緒に立てる、看護記録を共有する、退院支援の会議に本人が主役として参加する、といった形で実践できる。専門職が持つ知識と、本人が持つ生活と経験の知識は、どちらも欠かせないという前提に立つことが出発点になる。
間違えやすい考え方
概念の程度を問う型で、誤肢が別の段階と別の軸の概念である。当事者の関与の範囲で切る。
5分で振り返る
①共同創造=計画・決定・提供・評価のすべてに当事者が対等に関わる。②当事者は経験専門性を持つ人として位置づけられる。③指示に従う=パターナリズム、説明を受ける=インフォームドコンセント、一緒に決める=共同意思決定。④アウトリーチは届け方の話で別の軸。⑤形だけの参加は共同創造ではない。⑥日々のケア計画を一緒に立てることから実践できる。
1分チェック
- 共同創造とは何か。→ 計画から提供まで、当事者と医療者が対等にともにつくること。
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