退院後生活環境相談員について正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
退院後生活環境相談員について正しいものを問う。患者が居住の場を確保できるように調整することである。
この問題で問われていること
制度の対象と役割を正確に把握しているか。
しくみから理解する
退院後生活環境相談員は、精神保健福祉法に基づき、医療保護入院者に対して、入院後速やかに(原則7日以内に)選任される。役割は、退院に向けた相談支援、退院後の生活環境に関わる者との調整、地域援助事業者の紹介、医療保護入院者退院支援委員会の開催に関わる業務である。住まいの確保は、地域生活を始めるうえで土台になるため、居住の場の調整はこの相談員の中心的な仕事になる。長期入院の背景には、症状ではなく住む場所がないという社会的な事情があることが多い。
選択肢ごとの確認
対象は医療保護入院者である。措置入院の患者に対しては、別途、退院後支援計画に基づく支援の仕組みが設けられている。制度の対象を取り違えないようにする。
入院期間の長さは要件ではない。医療保護入院となった時点で、入院後速やかに選任される。入院直後から退院を見据えて関わるという設計になっており、長期化してから動き出すものではない。
2職種に限られない。精神保健福祉士のほか、保健師、看護師、准看護師、作業療法士、社会福祉士として精神障害者に関する業務に一定期間従事した経験を持つ者、および精神障害者の保健と福祉に関する専門的知識と経験を有すると認められる者が担うことができる。看護師も担い手になりうる点は押さえておく。
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混同しやすいポイント
誤肢1と2は、制度の対象を取り違えている。医療保護入院者に対して、入院直後に選任される、という2点が制度の骨格になる。誤肢4は、看護師が担えるかどうかという実務的にも重要な論点で、担えるという点が答えの一部になっている。
理解を深める
日本の精神科医療は、長期入院の解消が長年の課題であり、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築が政策として進められている。退院後生活環境相談員の制度は、その一環として2014年の法改正で設けられた。医療保護入院者退院支援委員会では、入院の必要性、推定される入院期間、退院に向けた取り組みを審議し、本人と家族、地域援助事業者も参加できる。実際の退院支援では、住まい(グループホーム、アパート、家族との同居)、収入(障害年金、生活保護、就労)、日中の活動の場、医療の継続(外来、訪問看護、服薬)、緊急時の体制を組み立てる。長く入院していた人にとって、地域での生活は不安が大きく、金銭管理、買い物、調理、対人関係といった具体的な場面での支援が要る。退院支援は、退院の日に終わるのではなく、地域で暮らし続けられるかどうかまでを見通して行う。
間違えやすい考え方
制度を問う型で、誤肢が対象、要件、職種の限定の誤りで構成されている。対象と選任時期で切る。
5分で振り返る
①対象は医療保護入院者(措置入院は別の仕組み)。②入院後速やかに選任され、入院直後から退院を見据える。③役割は相談支援、生活環境の調整、地域援助事業者の紹介、退院支援委員会。④居住の場の確保は中心的な仕事。⑤精神保健福祉士に限らず、看護師・保健師・作業療法士なども担える。⑥2014年の法改正で創設。
1分チェック
- 退院後生活環境相談員は誰に選任されるか。→ 医療保護入院者に、入院後速やかに(原則7日以内)。
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