医療安全について正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
医療安全について正しいものを問う。医療過誤とは医療事故の発生原因に医療機関、医療従事者の過失がある場合をいうことである。
この問題で問われていること
医療事故と医療過誤の関係を、過失の有無で区別できるか。
しくみから理解する
医療事故は、医療の過程で患者に生じた望ましくない事象の総称で、過失の有無を問わない。不可抗力によるもの、予期せぬ合併症、病院内での転倒も含まれる。医療従事者が被害者となる事故(針刺しなど)も含む。このうち、医療機関や医療従事者の過失(注意義務違反)が原因となっているものを医療過誤という。したがって、医療事故という大きな枠の中に医療過誤が含まれるという包含関係になる。過失がなければ医療事故ではあっても医療過誤ではない。
選択肢ごとの確認
責任を問うてはならない。患者からの暴力は労働災害であり、被害を受けた職員を守ることが組織の責務になる。報告した職員を責める文化があると、暴力が報告されなくなり、組織として対策を講じられなくなる。医療安全の基本は非懲罰的な報告文化(ジャストカルチャー)にある。
必要である。与薬前に気づいて患者に実害が及ばなかった事例は、ヒヤリ・ハット(インシデント)として報告する。実害が出なかった事例こそ、同じ過程で次は実害に至りうる危険を示しており、対策を立てるための貴重な情報になる。報告の目的は個人の責任追及ではなく、しくみの改善である。
速やかに提出する。時間が経つと記憶が曖昧になり、状況の正確な再現ができなくなる。また同じ事象が他の患者に起こる可能性もあるため、早期の共有が必要になる。数日後まで待つ理由はない。
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混同しやすいポイント
医療事故と医療過誤の包含関係が要点になる。すべての医療過誤は医療事故だが、すべての医療事故が医療過誤ではない。誤肢3つは、いずれも報告に関する誤った運用であり、共通して『報告しにくくする』方向を向いている。医療安全の考え方は、個人を責めるのではなく、しくみで防ぐという点にあり、この視点を持っていれば誤肢を落とせる。
理解を深める
医療事故調査制度では、病院等で提供した医療に起因し、または起因すると疑われる死亡・死産で、当該管理者が予期しなかったものが報告対象となる。予期しない死亡すべてではない。管理者は遺族への説明、センターへの報告、院内調査などを制度と施設手順に従って行う。インシデント報告や医療過誤の判断とは別の枠組みである。
間違えやすい考え方
『正しいのはどれか』型で、誤肢がすべて報告を妨げる運用である。用語の包含関係と報告文化で切る。
5分で振り返る
①対象は死亡または死産。②提供した医療に起因または起因すると疑われること。③管理者が予期しなかったと判断すること。④三要素を満たすかを制度に沿って確認する。⑤院内インシデント報告、過失判断、医療事故調査制度を混同しない。
1分チェック
- 医療事故と医療過誤の違いは。→ 過失があるものが医療過誤(医療事故の一部)。
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