災害時のこころのケアで正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
災害時のこころのケアで正しいものを問う。災害派遣精神医療チーム(DPAT)は航空機事故が発生したときにも活動することである。
この問題で問われていること
支援の対象となる災害の範囲と、活動の時期を把握しているか。
しくみから理解する
災害派遣精神医療チーム(DPAT)は、自然災害だけでなく、航空機事故、列車事故、犯罪事件といった集団災害の後にも、被災地域へ派遣されて精神医療と精神保健活動を行う。都道府県等の派遣要請により、精神科医師、看護師、業務調整員などで構成される班が入る。活動は、被災した精神科医療機関の支援(機能停止した病院からの患者の搬送を含む)、被災者への精神科医療の提供、支援者への支援など多岐にわたる。発災直後の急性期から中長期まで関わる。
選択肢ごとの確認
数週間では終わらない。こころの反応は、急性期の混乱と不眠から、数か月後の抑うつや悲嘆、記念日反応、さらに年単位の課題まで長く続く。心的外傷後ストレス障害は、症状が1か月以上続く場合に診断される。生活再建の困難、孤立、飲酒の問題が後から顕在化することも多く、中長期の支援が必要になる。
福祉避難所での医療活動を目的とするものではない。こころのケアチームは、避難所、在宅、医療機関、行政機関など被災地全体を対象に活動する。福祉避難所は、高齢者や障害のある人など特別な配慮を要する人のために設置される避難所であり、活動の場の一つではあるが目的ではない。
サイコロジカルファーストエイド(心理的応急処置)は、発災直後から誰もが行える支援の枠組みであり、精神科医だけが行うものでも、1か月後に行うものでもない。安全と安心の確保、必要としているものの把握、実際的な支援、周囲の人や情報とのつながりの回復を柱とし、無理に体験を語らせないことを原則とする。
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混同しやすいポイント
誤肢はいずれも『範囲を狭める』方向の誤りになっている。時期を短く限定する、場を福祉避難所に限定する、実施者を精神科医に限定する。実際には、対象も時期も担い手も広い。とくにサイコロジカルファーストエイドが専門職に限らず誰もが学んで行えるものである点は、災害時の看護を考えるうえで重要になる。
理解を深める
災害時のこころのケアでは、心的外傷後ストレス障害の予防を意識するあまり、体験を語らせる介入(かつて行われたデブリーフィング)は、かえって症状を悪化させうるとして推奨されていない。まず必要なのは、安全、食事、睡眠、情報、つながりといった生活の基盤を整えることである。看護師が行える関わりとしては、そばにいる、話したいときに聴く、身体の訴えを丁寧に扱う(こころの不調は身体症状として現れやすい)、休息と睡眠の確保を支える、既往のある人の服薬の継続を支援する、といったことがある。支援者自身も被災者であることが多く、支援者のこころのケア(活動時間の管理、交代、振り返りの場)も欠かせない。子ども、高齢者、障害のある人、外国人、妊産婦は、必要な情報や支援が届きにくい要配慮者として、意識的に確認する必要がある。
間違えやすい考え方
『正しいのはどれか』型で、誤肢が対象・時期・担い手を狭めている。範囲の広さで切る。
5分で振り返る
①DPATは自然災害だけでなく航空機事故・列車事故・犯罪事件でも活動する。②精神科医師・看護師・業務調整員などで構成され、都道府県等の要請で派遣される。③こころのケアは急性期から年単位の中長期まで続く。④サイコロジカルファーストエイドは誰もが行える枠組みで、無理に語らせない。⑤デブリーフィングは推奨されない。⑥まず生活の基盤(安全・食事・睡眠・情報・つながり)を整える。⑦支援者自身のケアも必要。
1分チェック
- DPATはどんな災害で活動するか。→ 自然災害に限らず、航空機事故などの集団災害でも活動する。
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