肝臓の機能はどれか。
公式正答:1
解説
肝臓はグリコーゲンとして糖を蓄える。胆汁は「つくる」のが肝臓で、「貯める」のは胆嚢。
この問題で問われていること
肝臓の機能と、他の臓器(胆嚢・腎臓・内分泌腺)の機能を区別できるか。「生成」と「貯蔵」を取り違えていないか。
しくみから理解する
肝臓は食後に血糖が上がると、余ったグルコースをグリコーゲンとして肝細胞に蓄える(グリコーゲン合成)。空腹になると、これを分解してグルコースを血中へ放出し(グリコーゲン分解)、さらに枯渇するとアミノ酸や乳酸から新たに糖をつくる(糖新生)。この働きにより血糖値が一定に保たれる。肝臓はまた胆汁を生成するが、貯蔵と濃縮を行うのは胆嚢である。胆汁は肝細胞でつくられ、毛細胆管から肝管を経て、食事をしていないときは胆嚢へ入って濃縮され、食事の刺激(コレシストキニン)で胆嚢が収縮して十二指腸へ放出される。 【接地元】解剖学深掘り編(石川先生・肝臓の構造)、ガイトン生理学 肝臓、人体の構造と機能 第5版
選択肢ごとの確認
グリコーゲンとして貯蔵し、必要に応じて分解して血糖を維持する。
胆汁を生成するのは肝臓だが、貯蔵し濃縮するのは胆嚢。動詞が「貯蔵」になっている点を読む。
腎臓の役割。バソプレシンとアルドステロンを介して水とナトリウムの排泄を調節する。ただし肝臓もアルブミンを合成することで間接的に体液の分布に関わる。
肺と腎臓の役割。第110回午前 問85で問われている論点。
肝臓は内分泌腺ではない。ただしアンジオテンシノゲンやIGF-1を産生し、またホルモンの不活化と代謝を行うので、内分泌系と無関係ではない。設問は「分泌」を問うている。
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混同しやすいポイント
「胆汁の貯蔵」は、肝臓と胆汁の強い結びつきを利用した誤肢。生成=肝臓、貯蔵と濃縮=胆嚢、と動詞で分ける。胆嚢を摘出しても胆汁は作られ続けるので生活できるのは、貯蔵機能が失われるだけだからである。
理解を深める
血糖調節における肝臓の役割は、糖尿病の理解に直結する。インスリンは肝臓でのグリコーゲン合成を促し糖新生を抑える。グルカゴンは逆にグリコーゲン分解と糖新生を促す。したがって空腹時血糖が高いのは主に肝臓からの糖放出が抑えられていないことを反映し、食後血糖が高いのは筋肉と肝臓での取り込みが不十分なことを反映する。ビグアナイド系薬(メトホルミン)が主に肝臓の糖新生を抑えることで効くのも、この仕組みに基づく。
間違えやすい考え方
「生成」と「貯蔵」、「調節」と「関与」のように動詞をすり替える型。選択肢の動詞まで読むことが決め手になる。
5分で振り返る
肝臓の機能=①代謝(糖・脂質・蛋白質・アンモニア→尿素)②合成(アルブミン・凝固因子・胆汁)③貯蔵(グリコーゲン・鉄・ビタミンA/D/B12)④解毒⑤胆汁の生成。血糖維持はグリコーゲンの合成と分解、および糖新生による。胆汁の貯蔵と濃縮は胆嚢。体液量の調節は腎臓、pH調節は肺と腎臓。
1分チェック
- 肝臓は糖をどんな形で貯蔵するか
- 胆汁を生成するのと貯蔵するのはそれぞれどこか
- 体液量とpHを調節する臓器はそれぞれどこか
- 空腹時に肝臓が血糖を保つ2つの方法は何か
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