第2〜第4腰髄の障害の有無を把握するために確認するのはどれか。
公式正答:3
解説
深部腱反射は、その反射弓が通る脊髄の高さを教えてくれる。膝蓋腱反射は第2〜第4腰髄なので、この高さの障害を調べる道具になる。
この問題で問われていること
反射と脊髄レベルの対応。あわせて、選択肢に混ぜてある「反射ではない徴候」を見分けられるか。
しくみから理解する
膝蓋腱をハンマーで叩くと大腿四頭筋が急に伸ばされ、筋紡錘が興奮する。この信号がIa線維を通って脊髄後根から入り、前角の運動ニューロンと直接シナプスを作り(単シナプス反射)、大腿四頭筋が収縮して下腿が跳ね上がる。この反射弓が通るのは第2〜第4腰髄で、大腿神経が末梢の経路になる。反射が消える・弱まるときは反射弓のどこか(末梢神経・後根・脊髄前角)の障害、逆に亢進するときは上位運動ニューロン(錐体路)の障害を示す。 【接地元】ガイトン生理学 第55章 脊髄の運動制御機構と脊髄反射、人体の構造と機能 第5版 反射弓
選択肢ごとの確認
近くを見るときに両眼が内側へ寄る反応。中枢は中脳で、脊髄とは関係しない。
腹壁の皮膚をこすると腹筋が収縮する表在反射。上腹部が第7〜第9胸髄、下腹部が第10〜第12胸髄で、腰髄ではない。
反射弓が第2〜第4腰髄を通る。設問の高さと一致する。
低カルシウム血症でみられる徴候。上腕にマンシェットを巻いて加圧すると手指が特徴的な形(助産師の手)に硬直する。反射ではなく、神経筋の興奮性亢進をみる検査。
腹膜刺激徴候。腹部を押してゆっくり圧迫し、急に手を離したときに痛みが強くなる(反跳痛)。急性腹症の所見であって、脊髄の高さとは無関係。
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混同しやすいポイント
選択肢に「反射」と「徴候」が混ざっている。トルソー徴候とブルンベルグ徴候は反射ではないので、脊髄レベルを調べる道具にはならない。設問が「〜髄の障害の有無」と言っている時点で、反射弓が脊髄を通るものだけが候補になる。
理解を深める
主な深部腱反射と脊髄レベルは、上から順に上腕二頭筋反射がC5〜C6、腕橈骨筋反射がC5〜C6、上腕三頭筋反射がC6〜C8、膝蓋腱反射がL2〜L4、アキレス腱反射がS1〜S2。5・6・7・8と数字が並び、下肢は2・3・4と1・2になるので、この並びで覚えると引き出しやすい。反射の亢進に加えてバビンスキー反射(足底をこすると母趾が背屈する)が陽性なら錐体路障害を示す。
間違えやすい考え方
検査名を並べて、そのうち性質の違うものを混ぜる型。反射なのか徴候なのか、中枢が脳なのか脊髄なのかで層別してから選ぶ。
5分で振り返る
深部腱反射は単シナプス反射で、反射弓の通る脊髄の高さを示す。上腕二頭筋C5〜C6、腕橈骨筋C5〜C6、上腕三頭筋C6〜C8、膝蓋腱L2〜L4、アキレス腱S1〜S2。低下・消失は反射弓(末梢神経・後根・前角)の障害、亢進は上位運動ニューロン(錐体路)の障害。腹壁反射は表在反射でT7〜T12。トルソー徴候は低カルシウム血症、ブルンベルグ徴候は腹膜刺激。
1分チェック
- 膝蓋腱反射の脊髄レベルはどこか
- アキレス腱反射のレベルはどこか
- 深部腱反射が亢進するのはどこの障害か
- トルソー徴候は何を示すか
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