介護保険法で定める特定疾病はどれか。2つ選べ。
公式正答:2・3
解説
介護保険法で定める特定疾病を2つ問う。脊髄小脳変性症と閉塞性動脈硬化症である。
この問題で問われていること
特定疾病という制度上の枠組みと、その対象疾患を把握しているか。
しくみから理解する
介護保険の第2号被保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者)は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病(特定疾病)によって要介護・要支援状態になった場合に限り、給付を受けられる。特定疾病は政令で16種類定められており、脊髄小脳変性症と閉塞性動脈硬化症はいずれもこれに含まれる。加齢との関連が認められ、要介護状態をもたらす可能性が高く、罹病期間が長期にわたるものが選ばれている。
選択肢ごとの確認
ウイルス肝炎は特定疾病に含まれない。肝硬変や肝細胞癌へ進行しうるが、加齢に伴う疾病として位置づけられていない。なお末期の癌は特定疾病に含まれるため、肝細胞癌が末期であれば該当しうる。
メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積を背景とする代謝の状態を指す概念であり、疾病として特定疾病に定められてはいない。特定健康診査・特定保健指導の対象となる概念である。
後天性免疫不全症候群は特定疾病に含まれない。障害者総合支援法の対象(免疫機能障害として身体障害者手帳の対象)となり、そちらの制度で支援される。
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混同しやすいポイント
16の特定疾病は、①がん(末期)②関節リウマチ③筋萎縮性側索硬化症④後縦靱帯骨化症⑤骨折を伴う骨粗鬆症⑥初老期における認知症⑦進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症・パーキンソン病⑧脊髄小脳変性症⑨脊柱管狭窄症⑩早老症⑪多系統萎縮症⑫糖尿病性神経障害・腎症・網膜症⑬脳血管疾患⑭閉塞性動脈硬化症⑮慢性閉塞性肺疾患⑯両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症である。神経難病、骨関節疾患、血管の病気が中心で、感染症と代謝症候群は含まれないと押さえると、誤肢を落としやすい。
理解を深める
第1号被保険者(65歳以上)は、原因を問わず要介護・要支援状態であれば給付を受けられる。この違いが、特定疾病という枠組みが必要になる理由である。40歳未満で要介護状態になった場合は介護保険の対象外となり、障害者総合支援法によるサービスを利用する。若年で介護を要する状態になった人が、制度の谷間に落ちやすいという課題は残る。申請の流れは、市町村への申請、認定調査と主治医意見書、一次判定(コンピュータ)、介護認定審査会による二次判定、認定(要支援1・2、要介護1〜5、非該当)、ケアプランの作成、サービスの利用となる。認定は原則として申請から30日以内に行われ、有効期間は原則6か月から12か月(更新時は最長で36か月または48か月)である。看護師は、退院支援や外来の場面で、対象になりうる人を見つけて申請につなぐ役割を持つ。
間違えやすい考え方
2つ選べの型で、誤肢が感染症と代謝症候群である。16疾病の性質(神経難病・骨関節・血管)で切る。
5分で振り返る
①第2号被保険者(40〜64歳)は特定疾病による場合に限り給付を受けられる。②第1号被保険者(65歳以上)は原因を問わない。③特定疾病は政令で16種類。④中心は神経難病・骨関節疾患・血管の病気(脊髄小脳変性症、閉塞性動脈硬化症、末期がん、初老期認知症など)。⑤ウイルス肝炎・メタボリックシンドローム・後天性免疫不全症候群は含まれない。⑥40歳未満は障害者総合支援法。
1分チェック
- 特定疾病とは何か。→ 第2号被保険者(40〜64歳)が給付を受けられる、加齢に関連する16の疾病。
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