子どもの成長・発達で正しいのはどれか。2つ選べ。
公式正答:2・4
解説
子どもの成長・発達で正しいものを2つ問う。発達の臨界期は身体の各部位によって異なることと、新生児期の成長・発達は環境よりも遺伝の影響が大きいことである。
この問題で問われていること
成長と発達の原則を、方向・時期・要因の観点から把握しているか。
しくみから理解する
臨界期(感受期)は、ある器官や機能が形成される、影響を受けやすい特定の時期を指す。この時期に障害要因が加わると、不可逆的な影響が残る。器官によって形成の時期が異なるため、臨界期も部位ごとに異なる。中枢神経は妊娠2〜5週頃から長く続き、心臓は3〜6週頃、四肢は4〜8週頃、口蓋は6〜9週頃というように、それぞれ時期がずれている。したがって、同じ時期の曝露でも、影響を受ける器官は異なる。新生児期については、発達がまだ遺伝的にプログラムされた過程に強く規定されており、環境からの刺激や学習の影響は、その後の時期に比べて相対的に小さい。
選択肢ごとの確認
逆である。運動の発達は中枢から末梢へ向かう。体幹に近い部分(首がすわる、寝返り、座る)から、遠い部分(手指でつまむ、道具を使う)へと進む。方向の原則としては、頭部から尾部へ(首→座位→歩行)、中枢から末梢へ、粗大運動から微細運動へ、という3つを押さえる。
成長と発達の定義が入れ替わっている。成長は身体の大きさや形態が量的に増大すること、発達は機能が質的に成熟していくことを指す。設問の記述は発達の定義になっている。
逆である。脳神経系は乳幼児期に最も急速に発達する。スキャモンの発育曲線では、神経型は出生後から急激に立ち上がり、4〜6歳頃には成人の80〜90%に達する。学童期以降の伸びは緩やかになる。他に、一般型(身長・体重・臓器)はS字型、リンパ型は学童期に成人を超えてピークに達し思春期以降に低下、生殖型は思春期に急激に立ち上がる。
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混同しやすいポイント
誤肢は、方向の逆(1と5)と定義の入れ替え(3)という2つの型で作られている。原則は、①方向(頭部から尾部、中枢から末梢、粗大から微細)②順序性(順序は一定だが速度には個人差がある)③臨界期(部位ごとに異なる)④連続性(連続するが速度は一様でない)と整理する。スキャモンの発育曲線の4つの型も、あわせて図で覚えておくと、この種の設問に対応できる。
理解を深める
臨界期の考え方は、先天異常の予防に直結する。妊娠初期(とくに4〜10週)は主要な器官が形成される時期で、薬剤、放射線、感染(風疹、トキソプラズマ、サイトメガロウイルス)、アルコールの影響を最も受けやすい。葉酸の摂取が妊娠前から推奨されるのも、神経管の閉鎖が妊娠4〜6週に起こるためである。一方、中枢神経系は妊娠全期間を通じて、また出生後も発達を続けるため、影響を受けうる期間が長い。発達には遺伝と環境の両方が関わり、時期が進むほど環境(栄養、養育、刺激、教育、人との関係)の比重が増していく。臨界期の概念は、愛着形成や言語の獲得にも用いられ、乳幼児期の関わりの重要性を裏づける。看護では、発達の原則を知ることで、その子が今どの段階にいて、次に何ができるようになるかを見通し、家族に伝えることができる。個人差があることも同時に伝え、他児との比較で不安にさせない配慮が要る。
間違えやすい考え方
2つ選べの型で、誤肢が方向の逆と定義の入れ替えで構成されている。4つの原則とスキャモンの曲線で切る。
5分で振り返る
①発達の方向は頭部から尾部、中枢から末梢、粗大運動から微細運動。②臨界期は器官ごとに時期が異なる(中枢神経は長く、心臓は3〜6週など)。③成長=量的な増大、発達=機能の質的な成熟。④新生児期は遺伝の影響が相対的に大きく、その後は環境の比重が増す。⑤スキャモンの神経型は乳幼児期に急伸し4〜6歳で成人の80〜90%。⑥順序は一定だが速度には個人差がある。
1分チェック
- 運動発達はどちらへ向かうか。→ 中枢から末梢へ(頭部から尾部、粗大から微細)。
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