次の文を読み、問いに答えよ。A君(5歳6か月、男児)は、二分脊椎spinabifidaのため、繰り返し使用できるカテーテルによる間欠的自己導尿を両親が実施している。現在、間欠的自己導尿は、保育所での実施を含めて1日6回行うよう医師が指示しており、自宅では両親が導尿している。A君は下肢の運動機能障害があるが、自分で車椅子からトイレに移動でき、指先の微細な動きもできる。外来受診の際に母親から「地元の小学校に入学予定です。小学生になったら自分で導尿できたほうが良いと聞きました。Aも間欠的自己導尿をやってみたい、と言っています。どのように進めたらよいか分からず、焦っています」と看護師に相談があった。
その後、看護師は、A 君が小学校で自立して間欠的自己導尿ができるようケア 計画を立てた。 間欠的自己導尿の実施についてA 君に伝えることで適切なのはどれか。
公式正答:3
解説
小学校で自立して間欠的自己導尿ができるようケア計画を立てた際に、児へ伝える内容を問う。「カテーテルを入れておしっこが出てきたらその位置でカテーテルを止めるよ」である。
この問題で問われていること
手技の各手順の目的を理解しているか。
しくみから理解する
カテーテルを進めていき、尿の流出が始まった位置は、カテーテルの先端が膀胱内に達したことを示す。そこから深く挿入すると、膀胱壁を刺激または損傷する危険がある。したがって尿が出てきたらその位置で止め、尿の流出が続く間はそのまま保持する。この説明は、子どもが自分で行う際に、どこまで入れればよいかという最も迷いやすい点に答えるもので、実際的で分かりやすい。
選択肢ごとの確認
外尿道口の清拭は、外側から内側ではなく、内側(尿道口)から外側へ向かって拭く。汚染の少ない部位から多い部位へ向かうのが原則であり、逆方向に拭くと、周囲の細菌を尿道口へ運ぶことになる。女児では、前から後ろへ(尿道口から肛門の方向へ)拭く。
間欠的自己導尿は、清潔操作で行うものであり、無菌操作ではない。鑷子は使わず、手洗いをした手でカテーテルを持つ。繰り返し使用できるカテーテルを用いる方法(再利用型)が広く行われており、これは膀胱内が完全な無菌である必要はなく、定期的に尿を排出して膀胱内圧を下げ、残尿をなくすことが感染予防の本質だという考え方に基づく。子どもが学校で一人で行う手技として、鑷子を使う手順は現実的でもない。
尿が出なくなったら、急いで抜くのではなく、ゆっくり少しずつ引きながら、残っている尿が出ないかを確認する。膀胱内の尿を残さず排出することが、感染と膀胱内圧上昇の予防につながる。急いで抜くと残尿が生じ、また尿道を傷める。
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混同しやすいポイント
誤肢は、清拭の方向、無菌操作との混同、抜去の速さという3つの手技の誤りで構成されている。それぞれの手順に目的があり、その目的から正しい方法が導ける。清拭は汚染を広げないため、清潔操作でよいのは残尿をなくすことが本質だから、ゆっくり抜くのは残尿を出すため、という具合である。手順を丸暗記するのではなく、目的とともに理解すると、子どもに説明する際にも根拠を伝えられる。
理解を深める
間欠的自己導尿は、神経因性膀胱のある人が、定期的にカテーテルで尿を排出する方法である。目的は、膀胱内圧の上昇を防いで腎機能を守ること、残尿による尿路感染を防ぐこと、尿失禁を減らして生活の質を保つことにある。実施のたびに、尿の量、色、混濁、においを観察し、変化があれば受診する。水分を十分に摂ることも感染予防に有効になる。子どもに教える際は、絵や写真を使った手順表、人形での練習、実際の物品に触れる機会を用意し、その子の理解に合わせた言葉を選ぶ。学校では、清潔で鍵のかかる場所、時間の確保、物品の保管場所を整える。中学生、高校生と成長するにつれ、友人との関係、修学旅行や部活動、思春期の自意識といった新しい課題が生じるため、その都度相談できる関係を保つ。カテーテルの種類(再利用型、使い捨て型、親水性コーティング)や物品は、医療費助成や障害者総合支援法の日常生活用具給付の対象になることがある。
間違えやすい考え方
手技を問う型で、誤肢が清拭の方向・無菌操作との混同・抜去の速さである。各手順の目的から導く。
5分で振り返る
①尿が流出し始めた位置=先端が膀胱内に達した位置。そこで止める。②清拭は尿道口から外側へ(女児は前から後ろへ)。③間欠的自己導尿は清潔操作で行い、鑷子は使わない。④尿が出なくなったらゆっくり引きながら残尿を確認して抜く。⑤目的は膀胱内圧を下げて腎機能を守り、残尿による感染を防ぐこと。⑥尿の量・色・混濁・においを毎回観察する。⑦水分を十分に摂る。
1分チェック
- カテーテルはどこまで入れるか。→ 尿が出てきた位置で止める(それ以上進めると膀胱壁を傷める)。
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