gastric ulcer 胃潰瘍による少量の吐血の特徴はどれか。
公式正答:4
解説
胃潰瘍による少量の吐血の性状を問う。胃酸の作用で血液が変性し、コーヒー残渣様(暗褐色)になる。
この問題で問われていること
吐血の色調から出血部位と出血量・滞留時間を推定できるか。上部消化管出血の基本所見である。
しくみから理解する
胃内へ出た血液は、胃酸(塩酸)によりヘモグロビンが塩酸ヘマチンへ変化する。この物質が暗褐色を呈するため、吐物はコーヒーの出がらしのような色になる。少量の出血でゆっくり胃内に滞留した場合ほどこの変化が進むため、コーヒー残渣様となる。逆に大量出血で急速に嘔吐した場合は、酸と接触する時間が短く鮮紅色のまま吐出される。食道静脈瘤破裂のように胃酸に触れずに出血した場合も鮮紅色になる。なお上部消化管出血では、腸管を通過した血液が黒色便(タール便)として排泄される点も併せて問われる。
選択肢ごとの確認
泡沫状かつ鮮紅色は喀血の特徴で、気道からの出血を示す。空気と混ざるため泡立つ。吐血との鑑別点として重要。
糖尿病ケトアシドーシスで呼気に現れる甘酸っぱい臭い(果実臭)。吐物の性状ではない。
尿毒症で呼気に現れる臭い。腎不全に伴う所見であり、胃潰瘍の吐血とは関係しない。
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混同しやすいポイント
吐血と喀血の鑑別が最大の要点。吐血は暗赤色〜コーヒー残渣様・酸性・食物残渣を混じることがあり、喀血は鮮紅色・泡沫状・アルカリ性・咳嗽に伴う。誤肢2・3はいずれも『臭い』であり、性状を問う設問に対して軸がずれている点にも気づきたい。
理解を深める
上部消化管出血が疑われる場合、循環動態の評価(血圧・脈拍・ショック指数)が最優先になる。少量に見えても持続していれば貧血が進行する。看護では、絶飲食、静脈路確保、輸液・輸血の準備、内視鏡的止血術への準備を行い、再出血の徴候として血圧低下、頻脈、冷汗、タール便の出現を観察する。ヘリコバクター・ピロリ感染とNSAIDsが胃潰瘍の二大原因であり、除菌療法や薬剤性の評価も重要である。
間違えやすい考え方
『少量の』という限定に意味がある。大量出血なら鮮紅色になるため、量の条件を読み落とすと迷う。設問の条件節が答えを決める型。
5分で振り返る
①胃酸で塩酸ヘマチンに変化し暗褐色。②大量・急速なら鮮紅色。③喀血は鮮紅色・泡沫状・アルカリ性。④上部消化管出血ではタール便。⑤原因はピロリ菌とNSAIDsが二大。
1分チェック
- 胃潰瘍による少量の吐血はどんな性状か。→ コーヒー残渣様(暗褐色)。
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