腹部の図を示す。 cholecystitis 胆囊炎でみられる腹痛の典型的な部位はどれか。
公式正答:1
解説
腹部を4区分した図から、胆囊炎でみられる腹痛の典型的な部位を選ぶ。正答は①=右季肋部である。
この問題で問われていること
腹部の区分と、そこに位置する臓器・疾患を対応づけられるか。体表からみた臓器の位置関係の理解が問われる。
しくみから理解する
胆囊は肝臓の下面、右季肋部に位置する。胆石が胆囊管に嵌頓すると胆囊が収縮しても内容を排出できず、内圧上昇と炎症により右季肋部痛を生じる。脂肪の多い食事はコレシストキニンの分泌を促して胆囊を強く収縮させるため、食後数時間で疼痛が誘発されやすい。炎症が壁側腹膜や横隔膜に及ぶと、横隔神経(C3〜C5)を介して右肩や右肩甲部への放散痛(関連痛)が出る。Murphy徴候(右季肋部を圧迫しながら深吸気させると痛みで息が止まる)が特徴的所見である。
選択肢ごとの確認
胃、脾臓、膵尾部、左腎が位置する。脾梗塞や膵炎で痛みが出る領域で、胆囊はない。
下行結腸・S状結腸が位置する。S状結腸憩室炎などで痛む領域。
虫垂が位置する。急性虫垂炎の圧痛点(McBurney点)がある領域で、胆囊炎の部位ではない。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
急性虫垂炎の痛みは初期に心窩部や臍周囲から始まり、時間とともに右下腹部へ移動する。この『移動する痛み』を知っていると、右上と右下の取り違えを防げる。また膵炎は心窩部から背部へ放散する点で胆囊炎と区別する。
理解を深める
胆道疾患ではCharcot3徴(右季肋部痛・発熱・黄疸)が急性胆管炎を示唆し、これにショックと意識障害が加わったReynolds5徴は緊急ドレナージを要する重症像となる。胆囊炎では黄疸は必発ではなく、総胆管に結石が落ちた場合に出現する。看護では疼痛の部位・性状・放散、食事との時間関係、発熱、皮膚や眼球結膜の黄染を観察する。絶食と輸液で胆囊の収縮を抑えることが基本対応である。
間違えやすい考え方
図の番号を選ぶ形式のため、部位の名称を知っていても図中の位置と対応づけられないと落とす。腹部4区分(右上・左上・左下・右下)の臓器配置を頭に入れておく。
5分で振り返る
①胆囊は右季肋部。②脂肪食後に疼痛が誘発。③Murphy徴候が特徴。④右肩への放散痛は横隔神経を介する。⑤虫垂炎は右下腹部、痛みは心窩部から移動する。
1分チェック
- 胆囊炎の典型的な疼痛部位はどこか。→ 右季肋部。
この問題に対応する教材の確認中です。