deep vein thrombosis 深部静脈血栓症〈DVT〉の危険因子はどれか。
公式正答:3
解説
深部静脈血栓症(DVT)の危険因子を問う。長期臥床が該当する。
この問題で問われていること
Virchowの3徴という枠組みで危険因子を分類できるか。
しくみから理解する
血栓形成の要因はVirchowの3徴、すなわち①血流の停滞、②血管内皮の損傷、③血液凝固能の亢進で説明される。長期臥床では下肢の筋収縮による筋ポンプ作用が働かず、静脈還流が滞る。これが①血流の停滞に当たり、DVTの最大の危険因子となる。手術(特に整形外科の下肢手術や骨盤内手術)、長時間のフライト、ギプス固定、麻痺なども同じ機序で危険因子になる。生じた血栓が遊離して肺動脈を閉塞すると肺血栓塞栓症となり、致死的になりうる。
選択肢ごとの確認
逆で、加齢が危険因子。高齢では筋量が減って筋ポンプ機能が低下し、活動量も減るため血流が停滞しやすい。
逆で、脱水が危険因子。脱水では血液が濃縮して粘稠度が上がり、凝固しやすくなる(Virchowの③)。
逆で、肥満が危険因子。腹部の脂肪が骨盤内静脈を圧迫し、下肢からの還流を妨げる。
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混同しやすいポイント
誤肢がすべて『正しい危険因子の逆』で作られている。若年↔高齢、水分過多↔脱水、るいそう↔肥満。この構造に気づけば、危険因子を1つずつ覚えていなくても対称性から正答に到達できる。
理解を深める
DVTの予防は看護の実践に直結する。早期離床が最も有効で、それが難しい場合は足関節の底背屈運動、弾性ストッキング、間欠的空気圧迫法、薬物では抗凝固薬を用いる。観察点は下肢の腫脹・疼痛・熱感・色調変化と左右差である。Homans徴候は感度・特異度が不十分で、誘発検査として診断に用いない。疑う場合は臨床確率評価と超音波検査等につなぐ。ただし無症状のことも多い。急に立ち上がった直後の呼吸困難・胸痛・SpO2低下は肺血栓塞栓症を疑う所見で、いわゆるエコノミークラス症候群として災害時の車中泊でも問題になる。
間違えやすい考え方
『危険因子はどれか』という問いに対し、逆向きの語(若年・水分過多・るいそう)を並べる作り方。1つでも正しい方向を知っていれば芋づる式に解ける。
5分で振り返る
①Virchowの3徴=血流停滞・血管内皮損傷・凝固能亢進。②長期臥床は血流停滞の代表。③高齢・脱水・肥満も危険因子。④予防は早期離床・弾性ストッキング・間欠的空気圧迫。⑤合併症は肺血栓塞栓症。
1分チェック
- DVTの危険因子は何か。→ 長期臥床(血流の停滞)。
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