医療者間のコミュニケーションのエラーを防ぐために適切なのはどれか。
公式正答:3
解説
医療者間のコミュニケーションエラーを防ぐために適切な行動を問う。伝えられた情報を復唱して確認し合うことである。
この問題で問われていること
医療安全の基本原則である『クローズドループ・コミュニケーション』を理解しているか。
しくみから理解する
医療事故の多くは、個人の不注意よりも情報伝達の失敗から生じる。復唱(read-back)は、受け手が聞き取った内容を声に出して返し、送り手がそれを確認することで、聞き間違いをその場で検出する仕組みである。これにより伝達が一方通行ではなく閉じた輪(クローズドループ)になる。特に数値(薬剤量、単位、患者番号)は聞き間違いが起こりやすいため、復唱が有効に働く。
選択肢ごとの確認
逆で、単位は必ず明記する。mgとmL、gとmgの取り違えは重大な過量投与につながる。『U(単位)』を『0』と読み違えたインスリンの事故は典型例で、単位は略さず記載・口頭伝達する。
口頭指示は記録が残らず、聞き間違いも起こりやすいため原則として避ける。緊急時にやむを得ず行う場合は、復唱確認したうえで速やかに書面化する。
逆で、疑問はその場で確認する。質問しにくい雰囲気こそが事故の温床であり、職種や経験年数を超えて安全のために発言できること(心理的安全性)が求められる。
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混同しやすいポイント
『確認』と『復唱』の違いを意識する。単に「わかりました」と返すのは確認になっていない。内容を具体的に言い返して初めてエラーを検出できる。また6R(正しい患者・薬剤・目的・用量・用法・時間)の確認と、伝達時の復唱は別の対策であり、両方必要である。
理解を深める
情報伝達の標準化ツールとしてSBAR(Situation 状況/Background 背景/Assessment 評価/Recommendation 提案)があり、緊急時に医師へ報告する場面で用いられる。またチームSTEPPSでは、復唱に加えて、気づいた懸念を2回主張する2チャレンジルール、危険を感じたら誰でも中止を宣言できる仕組みなどが提唱されている。インシデントレポートは個人の責任追及ではなく、システムの改善のために提出するものであり、報告しやすい文化(Just Culture)が安全を高める。
間違えやすい考え方
『適切なのはどれか』で、誤肢3つが安全対策の正反対(省略する・口頭で行う・質問を控える)に作られている。安全の原則が『省かない・記録する・確認する』であることを知っていれば全部落とせる。
5分で振り返る
①復唱でクローズドループにする。②単位は略さない。③口頭指示は原則避け、やむを得ない場合は復唱+書面化。④疑問はその場で確認する。⑤報告ツールはSBAR。⑥インシデント報告は責任追及ではない。
1分チェック
- コミュニケーションエラーを防ぐ基本は何か。→ 復唱して相互に確認する。
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