静脈血採血で針を刺入した直後に、患者にしびれがないかを確認する目的はどれ か。
公式正答:2
解説
静脈血採血で針を刺入した直後に、しびれの有無を確認する目的を問う。神経損傷の予防である。
この問題で問われていること
手技に伴う合併症と、それを早期に察知するための観察項目を結びつけられるか。
しくみから理解する
前腕の肘窩には正中神経、橈骨神経浅枝、内側前腕皮神経などが走行し、静脈と近接している。針先が神経に触れたり刺入したりすると、その神経の支配領域に電撃痛やしびれが放散する。これは針が神経に当たっている直接の徴候であり、そのまま操作を続けると神経を損傷して、複合性局所疼痛症候群(CRPS)などの遷延する障害につながりうる。したがって刺入直後にしびれの有無を尋ね、訴えがあれば直ちに抜針して部位を変える。採血部位として肘正中皮静脈が第一選択とされるのは、太くて動きにくいことに加え、神経や動脈との位置関係が比較的安全なためである。
選択肢ごとの確認
感染予防は刺入前の皮膚消毒と清潔操作、器材の単回使用で行う。しびれの確認では感染は防げない。
血腫の予防は抜針後の圧迫止血(もまずに5分程度)で行う。血腫の徴候は腫脹や皮膚の変色であり、しびれではない。
血管迷走神経反応は不安や疼痛を引き金に副交感神経が優位となり、徐脈・血圧低下・気分不良・失神を起こすもの。徴候は顔面蒼白や冷汗、悪心であってしびれではない。予防は臥位での実施や声かけである。
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混同しやすいポイント
『しびれ』と『気分不良』を混同しない。しびれ=神経損傷、気分不良・冷汗・徐脈=血管迷走神経反応、と徴候ごとに原因が分かれる。また抜針後の観察項目(止血の確認、血腫、痛みの持続)と刺入直後の観察項目は別である。
理解を深める
採血時の合併症には、神経損傷、動脈穿刺、皮下血腫、血管迷走神経反応、感染がある。それぞれ予防と対応が異なる。動脈を誤穿刺すると拍動性に鮮紅色の血液が逆流するので、直ちに抜針して5分以上しっかり圧迫する。駆血帯は1分以上巻いたままにしないことも重要で、長時間の駆血は血液の濃縮や溶血を招き、カリウムや乳酸などの検査値に影響する。手を強く握ったり開いたりを繰り返すクレンチングも血清カリウム値を上昇させるため行わない。
間違えやすい考え方
4肢とも採血の合併症として実在するため、『しびれ』という徴候がどれと結びつくかを知らないと選べない。徴候と合併症の一対一対応で整理する。
5分で振り返る
①しびれ=神経損傷の徴候、直ちに抜針。②血管迷走神経反応は徐脈・冷汗・失神。③血腫予防は抜針後の圧迫止血。④動脈穿刺は拍動性・鮮紅色、5分以上圧迫。⑤駆血は1分以内、クレンチングはしない。
1分チェック
- 採血時のしびれ確認は何のためか。→ 神経損傷の予防。
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