酸素投与器具を図に示す。 最も高濃度の酸素を吸入できるのはどれか。
公式正答:4
解説
図の酸素投与器具のうち最も高濃度の酸素を吸入できるものを問う。正答は4で、リザーバー付きマスクである。
この問題で問われていること
酸素投与器具ごとの吸入酸素濃度の上限を、順序として把握しているか。
しくみから理解する
吸入酸素濃度は、供給される酸素流量と、患者が吸い込む室内空気の混入量で決まる。鼻カニューレは開放的で室内空気が多く混じるため、酸素流量を上げても濃度は最大44%程度にとどまる。簡易酸素マスクは顔を覆う分だけ空気の混入が減り40〜60%程度。ベンチュリーマスクは、酸素が細い噴出口を通る際に一定比率で空気を引き込む仕組みで、24〜50%の範囲を正確に設定できる。リザーバー付きマスクは、呼気時にリザーバーバッグへ高濃度酸素を貯めておき、吸気時にそれを吸い込むため、空気の混入が最も少なく60〜90%以上の高濃度を得られる。
解き方の補足
最大でも約44%。簡便で会話や食事ができる利点があるが、高濃度は得られない。
24〜50%。濃度を正確に設定できることが特徴で、CO2ナルコーシスのリスクがある慢性II型呼吸不全の患者に適するが、最高濃度ではない。
40〜60%程度。鼻カニューレより高いがリザーバー付きには及ばない。5L/分以上で使用しないとマスク内にCO2が貯留する点に注意。
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混同しやすいポイント
『流量が多い=濃度が高い』とは限らない点が要点。ベンチュリーマスクは総流量が多くても設定濃度は低めに保てる。器具の構造(空気がどれだけ混じるか)で濃度が決まると理解する。またリザーバー付きマスクではバッグが虚脱しない流量(通常6L/分以上)が必要で、虚脱していると必要量を吸えていない。
理解を深める
COPDなど慢性的にCO2が貯留している患者では、過剰な酸素投与では換気血流比の悪化やHaldane効果が主に関与し、患者によっては換気低下も加わって高二酸化炭素血症が悪化しうる。単純な低酸素刺激の消失だけで説明しない。このためベンチュリーマスクで濃度を厳密に管理する。ただし、低酸素血症そのものは生命に直結するため、危機的な低酸素に対して酸素を控えるのは誤りであり、目標SpO2(おおむね88〜92%)を定めて調整する。看護では、SpO2だけでなく呼吸数、呼吸パターン、意識状態、および必要に応じて動脈血ガス分析でPaCO2を評価する。
間違えやすい考え方
図から器具を判別する形式だが、問われているのは濃度の順序という一つの知識。『鼻カニューレ<ベンチュリー<簡易マスク<リザーバー付き』の並びを覚えていれば図が読めなくても解ける。
5分で振り返る
①鼻カニューレ 〜44%。②ベンチュリーマスク 24〜50%(濃度を正確設定)。③簡易酸素マスク 40〜60%(5L/分以上で使用)。④リザーバー付きマスク 60〜90%以上。⑤COPDではCO2ナルコーシスに注意、目標SpO2 88〜92%。
1分チェック
- 最も高濃度の酸素を吸入できる器具はどれか。→ リザーバー付きマスク。
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