膀胱壁の蓄尿反射を引き起こす刺激はどれか。
公式正答:4
解説
膀胱に尿が溜まって壁が引き伸ばされること、それ自体が刺激になる。伸展受容器が感知して反射が起こる。
この問題で問われていること
受容器の種類と、それが何を感じ取るかを言えるか。膀胱の感覚が「伸展」で担われていることを知っているか。
しくみから理解する
膀胱壁には伸展受容器(機械受容器)があり、尿が溜まって膀胱壁が引き伸ばされると興奮する。この情報は骨盤神経を通って仙髄へ入り、さらに上行して橋の排尿中枢と大脳へ届く。尿量がおよそ150〜300mLになると尿意を感じ、400〜500mLで強い尿意になる。蓄尿の間は交感神経が働いて排尿筋を弛緩させ内尿道括約筋を収縮させ、膀胱の内圧が上がりすぎないようにしている。排尿に適した状況になると大脳が抑制を解き、副交感神経が働いて排尿反射が起こる。 【接地元】ガイトン生理学 排尿、解剖学深掘り編(石川先生・尿路の解剖)、第115回全問解説
選択肢ごとの確認
外から膀胱を圧迫することは排尿を促す手技(クレーデ法)として使われることはあるが、生理的な蓄尿反射の引き金になっている刺激ではない。膀胱が感じているのは自らの壁が伸ばされることである。
膀胱炎などで痛みを感じることはあるが、それは炎症による侵害刺激であって、正常な蓄尿の仕組みではない。
膀胱壁に温度受容器はない。
尿が溜まって膀胱壁が伸ばされることが刺激になる。伸展受容器が感知する。
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混同しやすいポイント
「圧迫」と「伸展」は似ているようで別。外から押されるのが圧迫、内側から膨らんで壁が引き伸ばされるのが伸展。膀胱が感じているのは後者。同じことは胃の伸展受容器(満腹感)や肺の伸展受容器(ヘーリング・ブロイエル反射)にも当てはまる。
理解を深める
伸展受容器は体のあちこちで同じ役割を果たしている。膀胱=尿意、胃=満腹感(迷走神経を介して視床下部へ)、肺=吸気を止める反射、頸動脈洞と大動脈弓=血圧の感知(圧受容器)、筋紡錘=筋の長さの感知(伸張反射)。いずれも「引き伸ばされる」ことを機械的に感じ取る受容器で、これを一群として押さえておくと、それぞれの反射が理解しやすい。第114回午後 問81の膝蓋腱反射も筋紡錘の伸展が引き金である。
間違えやすい考え方
似た概念(圧迫と伸展)を並べる型。受容器の種類(機械受容器・温度受容器・侵害受容器・化学受容器)から考えると確実に選べる。
5分で振り返る
膀胱壁の伸展受容器が、尿の貯留による壁の伸展を感知→骨盤神経→仙髄→橋の排尿中枢と大脳。尿意は150〜300mLで感じ、400〜500mLで強くなる。蓄尿中は交感神経が働き排尿筋を弛緩・内尿道括約筋を収縮。伸展受容器は膀胱のほか胃(満腹感)、肺(ヘーリング・ブロイエル反射)、頸動脈洞と大動脈弓(圧受容器)、筋紡錘(伸張反射)にもある。
1分チェック
- 膀胱の蓄尿反射の刺激は何か
- 尿意を感じ始める尿量はどのくらいか
- 膀胱の感覚を伝える神経は何か
- 伸展受容器がある場所を他に挙げられるか
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