臥床して右股関節と右膝関節を90 度屈曲位にした図をA に示す。 A の状態から右下肢を矢印の方向に動かしてB の状態になった。 このときの股関節の運動はどれか。
公式正答:3
解説
股関節と膝関節を90度屈曲した肢位から下肢を動かしたときの股関節の運動を問う。正答は内旋である。
この問題で問われていること
関節運動の名称を、運動の軸と方向から正しく判定できるか。
しくみから理解する
股関節の外旋・内旋は、大腿の長軸を中心とした回旋運動である。仰臥位で股関節と膝関節を90度に屈曲した肢位では、下腿が体幹に対して垂直に立つ。この状態で下腿(足部)を外側へ動かすと、大腿骨は長軸まわりに内向きに回るため、股関節の運動としては内旋になる。逆に下腿を内側へ倒すと股関節は外旋する。下腿の動く向きと股関節の回旋の名称が逆になる点が、この肢位の特徴である。一方、外転・内転は下肢を体幹の正中面から遠ざける/近づける運動で、回旋とは軸が異なる。
選択肢ごとの確認
回旋の方向が逆。この肢位では下腿を内側へ倒したときが外旋になる。
外転は下肢を正中から遠ざける運動で、回旋の軸とは異なる。伸展位で下肢を側方へ開く動きが典型である。
内転は下肢を正中へ近づける運動であり、これも回旋ではない。
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混同しやすいポイント
膝を曲げた肢位では、見た目の下腿の動きと股関節の回旋名が逆になるため、直感で答えると外す。判定は必ず『大腿骨がどちら向きに回ったか』で行う。膝を伸ばした肢位(伸展位)では、つま先が内を向けば内旋、外を向けば外旋となり、こちらは直感と一致する。
理解を深める
股関節の運動は屈曲・伸展、外転・内転、外旋・内旋の3軸6方向で、可動域はおおむね屈曲125度、伸展15度、外転45度、内転20度、外旋45度、内旋45度である。人工股関節置換術(後方アプローチ)後は、屈曲・内転・内旋の複合運動で脱臼しやすいため、この肢位を避ける指導が重要になる。具体的には、深く座らない、脚を組まない、身体をひねって床のものを拾わない、といった生活動作の指導につながる。関節可動域測定は日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会の基準に従い、基本軸と移動軸を定めて行う。
間違えやすい考え方
図から運動名を答える形式で、肢位の条件(90度屈曲)が答えを決めている。条件節を読み落として伸展位の感覚で判断すると逆を選ぶ。
5分で振り返る
①外旋・内旋は大腿の長軸まわりの回旋。②90度屈曲位では下腿の向きと回旋名が逆になる。③外転・内転は正中から遠ざける/近づける運動。④人工股関節術後(後方進入)は屈曲・内転・内旋で脱臼しやすい。
1分チェック
- 股関節90度屈曲位で下腿を外側へ倒すと、股関節は何の運動か。→ 内旋。
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