Fowler〈ファウラー〉位で膝窩に枕を挿入する理由で正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
ファウラー位で膝窩に枕を挿入する理由を問う。上半身のずれを防ぐためである。
この問題で問われていること
体位を保持するための工夫が、それぞれ何を防いでいるかを説明できるか。
しくみから理解する
ファウラー位は上半身を45度前後に挙上した半坐位である。この姿勢では体幹に重力の分力が働き、身体が足側へずり落ちようとする。ずり落ちると仙骨部の皮膚が寝具に対して引きずられ、皮膚と深部組織の間にずれ応力(せん断力)が生じる。ずれ応力は圧迫単独よりも褥瘡を作りやすいため、これを防ぐことが重要になる。膝窩に枕を入れて膝を軽く屈曲させると、下肢が支えとなって身体の下方への滑りが抑えられ、同時に腹部の緊張がゆるんで安楽が得られる。
選択肢ごとの確認
頸部の前屈に対応するのは頭部を支える枕の高さの調整であり、膝窩の枕とは関係がない。
腰部や背部にクッションを当てることで支持するもので、膝窩の枕の目的ではない。
尖足の予防は足底に支持物を当てる(フットボードやクッション)ことで行う。足関節を中間位に保つのが目的であり、膝窩とは部位が違う。
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混同しやすいポイント
誤肢はいずれも体位保持で実際に行う正しいケアだが、対応する部位が違う。『どこに何を当てると何を防げるか』を部位ごとに対応づけて覚える。膝窩の枕は長時間だと膝窩部の血管を圧迫し静脈還流を妨げる可能性があるため、高さと時間に配慮する点も押さえておく。
理解を深める
褥瘡予防では、圧迫、ずれ、湿潤、栄養、摩擦の要因を総合的に管理する。ファウラー位を長時間とる場合は、30度以上の挙上を避ける、または挙上前に一度背抜き(背部を寝具から浮かせてずれを解放する操作)を行う。体圧分散寝具の使用、2時間ごとの体位変換(体圧分散寝具使用時は4時間まで延長可)、スキンケア、栄養管理が基本となる。褥瘡の評価にはDESIGN-R分類、リスクアセスメントにはブレーデンスケールが用いられる。
間違えやすい考え方
『理由で正しいのはどれか』型で、誤肢が全部『正しいケアだが別の目的』になっている。部位と目的の対応を持っていないと、どれも正しく見える。
5分で振り返る
①ファウラー位では身体が足側へずり落ちる。②ずれ応力は褥瘡の主要因。③膝窩の枕で滑りを抑える。④頸部前屈は頭部の枕、尖足は足底の支持、脊柱弯曲は腰背部の支持。⑤背抜きでずれを解放する。
1分チェック
- ファウラー位で膝窩に枕を入れる理由は何か。→ 上半身のずれ落ちを防ぐため。
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