腹部の打診で観察するのはどれか。
公式正答:1
解説
腹部の打診で観察するものを問う。鼓音である。
この問題で問われていること
フィジカルアセスメントの4手技(視診・聴診・打診・触診)が、それぞれ何を捉えるかを区別できるか。
しくみから理解する
打診は、体表を叩いて生じる音の性質から、その下にある組織の状態を推定する手技である。空気を含む臓器の上では鼓音(太鼓のような響く音)、実質臓器や液体の貯留した部位では濁音が聞かれる。腹部では、消化管にガスがあるため通常は鼓音が主体となり、肝臓の位置や腹水の貯留部位では濁音になる。したがって打診で観察するのは音であり、鼓音が該当する。なお腹部の診察では、触診や打診が腸蠕動に影響するため、視診→聴診→打診→触診の順で行う点も重要である。
選択肢ごとの確認
触診で得られる所見。腹部を圧迫してから急に手を離したときに痛みが強くなるもので、腹膜刺激徴候の一つ。ブルンベルグ徴候ともいう。
これも触診の所見。腹膜炎により腹壁の筋が反射的に緊張して硬くなる状態で、腹膜刺激徴候である。
触診で確かめる所見。硬さ、可動性、圧痛の有無、表面の性状などを手で評価する。
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混同しやすいポイント
誤肢3つがすべて触診の所見である。打診=音、触診=硬さや圧痛、聴診=腸蠕動音や血管雑音、視診=形状・膨隆・皮膚所見、と手技ごとに得られる情報の種類で整理する。腹部だけ聴診を打診より先に行うという順序の例外も頻出。
理解を深める
打診音は部位によって使い分けて解釈する。腹水が貯留すると、体位を変えたときに濁音の境界が移動する(移動性濁音)。膀胱に尿が貯留していれば恥骨上部が濁音になり、尿閉の判断材料になる。胸部では、含気が増える気胸で鼓音(過共鳴音)、胸水や無気肺で濁音となる。肝臓の上縁と下縁を打診で求めれば肝濁音界の大きさが分かり、肝腫大の評価に使える。打診の技法は、非利き手の中指を体表に密着させ、その第2関節付近を利き手の中指で手首のスナップを使って叩く。
間違えやすい考え方
手技と所見の組合せを問う型。所見名だけを覚えていて、それがどの手技で得られるかを整理していないと選べない。
5分で振り返る
①打診=音(鼓音・濁音)。②触診=硬さ・圧痛・反跳痛・筋性防御。③聴診=腸蠕動音・血管雑音。④視診=膨隆・皮膚所見。⑤腹部は視診→聴診→打診→触診の順。⑥移動性濁音は腹水の所見。
1分チェック
- 腹部の打診で得られる所見は何か。→ 鼓音(および濁音)。
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