尿比重が低くなるのはどれか。
公式正答:2
解説
尿比重が低くなる病態を問う。尿崩症である。
この問題で問われていること
尿比重が何を反映するかを理解し、病態ごとの尿の濃さを推論できるか。
しくみから理解する
尿比重は、尿に溶けている溶質の量を反映する指標で、基準はおよそ1.005〜1.030である。尿崩症では、抗利尿ホルモン(バソプレシン)の分泌不足(中枢性)または腎の反応性低下(腎性)により、集合管での水の再吸収が行われない。その結果、大量の希釈された尿が排泄され、尿比重は1.005前後まで低下する。1日尿量が数リットルに達することもあり、脱水と高ナトリウム血症を招く。
選択肢ごとの確認
尿中にブドウ糖という溶質が大量に出るため、尿比重はむしろ高くなる。尿量は浸透圧利尿により増えるが、比重は上がる点が尿崩症との決定的な違いである。
体内の水が不足しているため、バソプレシンが分泌されて水を最大限に再吸収する。尿は濃縮され、尿量は減り比重は高くなる。
糸球体基底膜の障害により大量の蛋白が尿中に漏れ出る。蛋白という溶質が増えるため尿比重は高くなる。
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混同しやすいポイント
『尿量が多い=比重が低い』とは限らない点が最大の要点である。糖尿病では尿量が多いのに比重は高い。これは溶質(ブドウ糖)そのものが水を引っ張って出ていく浸透圧利尿だからで、水だけが出ていく尿崩症とは機序が違う。『何が薄いのか、何が濃いのか』を溶質の量で考える。
理解を深める
尿崩症の鑑別には水制限試験(飲水を制限して尿浸透圧が上昇するか)とバソプレシン負荷試験が用いられ、中枢性ではバソプレシン投与で尿量が減り比重が上がるが、腎性では反応しない。中枢性尿崩症の治療にはデスモプレシンを用いる。看護では、脱水の徴候(口渇、皮膚の乾燥、体重減少、血圧低下)、正確な水分出納の記録、体重の毎日測定、血清ナトリウム値の推移を観察する。意識障害や乳幼児では自ら水分を摂れないため、急速に高ナトリウム血症が進行する危険がある点に注意する。
間違えやすい考え方
『低くなるのはどれか』という向きの問い。糖尿病と尿崩症はどちらも多尿をきたすため、多尿という共通点に引っ張られると誤る。比重を決めるのは尿量ではなく溶質量である。
5分で振り返る
①尿比重の基準は約1.005〜1.030。②尿崩症=バソプレシン作用不足で水が再吸収されず低比重・多尿。③糖尿病=浸透圧利尿で多尿だが高比重。④脱水=濃縮尿で高比重。⑤ネフローゼ=蛋白尿で高比重。⑥中枢性と腎性はバソプレシン負荷で鑑別。
1分チェック
- 尿比重が低下する代表的な病態は何か。→ 尿崩症。
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