右腕に点滴静脈内注射をしている成人患者の寝衣(パジャマ)の交換について正し いのはどれか。
公式正答:4
解説
右腕に点滴静脈内注射をしている患者の寝衣交換について正しいものを問う。清潔な寝衣の右袖には、先に点滴ボトルを通してから腕を通す。
この問題で問われていること
脱健着患の原則を、点滴刺入部という制約のある側に適用できるか。
しくみから理解する
寝衣交換の原則は脱健着患、すなわち健側から脱がせ、患側から着せる、である。点滴をしている腕は、可動性が制限され、抜針や刺入部への負担のリスクがあるため患側として扱う。したがって脱ぐときは点滴のない左(健側)から、着るときは点滴のある右(患側)から行う。着る際は、まず点滴ボトルを袖の中(袖口から入れて肩口へ)を通してから、患者の腕を袖に通す。この順序であれば、ルートをねじったり引っ張ったりせずに袖を通せる。ボトルを通す間は、輸液の落差を保つため、ボトルを刺入部より高い位置に維持する。
選択肢ごとの確認
脱ぐときは健側からが原則であり、点滴のない左袖から脱がせる。点滴側を先に脱がせると、可動域が広い側の袖が残って動かしにくくなる。
ボトルを刺入部より低い位置に置くと、静脈圧により血液がルート内へ逆流し、凝固して閉塞する原因になる。また滴下が止まる。ボトルは常に刺入部より高く保つ。
着るときは患側からが原則であり、点滴のある右袖から着せる。
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混同しやすいポイント
脱健着患は麻痺のある患者で覚えることが多いが、点滴、ギプス、創傷など『動かしにくい・触れたくない』側すべてに適用される原則である。どちらが患側かを正しく判断することが最初の関門になる。
理解を深める
点滴をしている患者のケアでは、滴下速度の維持、刺入部の観察(発赤、腫脹、疼痛、漏れ)、ルートの屈曲や閉塞の防止が基本になる。体位変換や移動の前後には必ず滴下と刺入部を確認する。血管外漏出が起きると、薬剤によっては組織壊死を招くため、腫脹や疼痛の訴えがあれば直ちに滴下を止めて確認する。前開きの寝衣であればルートの扱いが容易になるため、点滴が長期にわたる場合は寝衣の選択自体を工夫することもある。
間違えやすい考え方
順序を問う問題で、『脱健着患』を知っていても、点滴側が患側であると判断できなければ答えられない。さらにボトルの高さという別の原則も同時に問われている。
5分で振り返る
①脱健着患=健側から脱ぎ、患側から着る。②点滴側は患側として扱う。③着る順は右(点滴側)→左。④ボトルは常に刺入部より高く保つ。⑤ボトルを低く置くと逆流・閉塞。⑥前後で滴下と刺入部を確認。
1分チェック
- 点滴側の袖はどう着せるか。→ 先にボトルを袖に通してから腕を通す(患側から着る)。
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