頭部の切創からの出血で選択する止血法はどれか。
公式正答:4
解説
頭部の切創からの出血で選択する止血法を問う。直接圧迫止血法である。
この問題で問われていること
止血法の第一選択と、部位による適応の制約を理解しているか。
しくみから理解する
出血に対する止血の第一選択は直接圧迫止血法である。出血部位に清潔なガーゼやタオルを当て、その上から手で強く圧迫して血管を閉じる。ほとんどの外出血はこれで制御できる。頭部は皮下に血管が豊富で出血量が多くなりやすい一方、直下に頭蓋骨があるため圧迫が効きやすく、この方法が適する。実施者は感染防止のため手袋を着用し、圧迫は止血が得られるまで持続する。
選択肢ごとの確認
四肢の大出血で、直接圧迫では制御できない場合に限って用いる方法。頸部や頭部には適用できない(頭部を締めることはできない)。また末梢の血流を完全に遮断するため、装着時刻の記録が必須で、長時間の使用は組織壊死を招く。
鼻出血や体腔内の出血に対し、ガーゼなどを詰めて圧迫する方法。開放創である頭部の切創には適さない。
出血部位より中枢側の動脈(止血点)を圧迫する方法。直接圧迫の準備をする間の一時的な手段として補助的に用いる。頭部では効果が限定的で、第一選択にはならない。
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混同しやすいポイント
『どれも止血法として実在する』ため、第一選択がどれかを知らないと迷う。順序は、直接圧迫が基本、それで止まらない四肢の大出血に止血帯、というのが現在の考え方である。かつては間接圧迫が広く指導されていたが、現在は直接圧迫が優先される。
理解を深める
止血のケアでは、出血量の評価と全身状態の観察が同時に必要になる。頭部外傷では、出血だけでなく頭蓋内損傷の可能性を考え、意識レベル(JCSまたはGCS)、瞳孔の左右差と対光反射、嘔吐、健忘、頭痛の増強を観察する。受傷直後は意識があっても、硬膜外血腫では意識清明期を経て急速に悪化することがあるため、経過観察の指導が重要になる。また出血が続く場合はショックの徴候(頻脈、血圧低下、冷汗、皮膚蒼白、意識レベル低下)を評価し、仰臥位を基本に外傷と呼吸状態に応じて体位を調整し、保温と輸液の準備を行う。下肢挙上は頭部・脊椎・骨盤・下肢外傷や心肺への負担を評価し、救命処置を遅らせない範囲で選択する。
間違えやすい考え方
4肢すべてが実在する止血法であり、『使えるかどうか』ではなく『第一選択か』を問うている。部位(頭部)という条件が止血帯を除外する手がかりになる。
5分で振り返る
①第一選択は直接圧迫止血法。②止血帯は四肢の大出血で直接圧迫が無効な場合のみ、装着時刻を記録。③間接圧迫は補助的。④タンポン法は鼻出血など。⑤頭部外傷では意識・瞳孔・嘔吐を観察、意識清明期に注意。
1分チェック
- 外出血に対する第一選択の止血法は何か。→ 直接圧迫止血法。
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