ノーリフトケアに該当するのはどれか。
公式正答:3
解説
ノーリフトケアに該当するものを問う。スライディングシートを使って患者をベッド上で移動することである。
この問題で問われていること
ノーリフトケアの定義(人力で持ち上げないこと)を、具体的な場面で判別できるか。
しくみから理解する
ノーリフトケアは、介助者が人の力だけで患者を持ち上げる(リフトする)ことをやめ、福祉用具を活用して移乗・移動を行う考え方である。目的は二つあり、介助者の腰痛など筋骨格系障害を防ぐことと、患者にとっても引きずられたり不安定に抱えられたりすることによる皮膚損傷・疼痛・恐怖を減らすことである。スライディングシートは摩擦を減らして水平移動を助ける用具で、持ち上げずに滑らせるため、まさにノーリフトの実践に当たる。ほかにスライディングボード、リフト(床走行式・据置式・天井走行式)、スタンディングマシンなどがある。
選択肢ごとの確認
介助者が患者を抱え上げる動作であり、ノーリフトではない。この方法は介助者の腰部に大きな負荷がかかり、患者の腋窩を圧迫して神経損傷を起こす危険もある。
典型的な人力での持ち上げであり、ノーリフトケアの否定にあたる。
ボディメカニクスは、支持基底面を広くとる、重心を低くする、身体をねじらない、てこの原理を使うなど、身体の使い方を工夫して負担を減らす技術である。有用ではあるが、人力で動かすことに変わりはなく、用具を用いないという点でノーリフトケアとは異なる。
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混同しやすいポイント
肢4のボディメカニクスが最も紛らわしい。従来はボディメカニクスの習得が腰痛予防の中心とされてきたが、ノーリフトケアはそれでは不十分であり、用具を使って持ち上げること自体をやめる、という考え方である。『人力で工夫する』と『用具で持ち上げない』の違いを押さえる。
理解を深める
厚生労働省の職場における腰痛予防対策指針では、原則として人力のみによる人の抱え上げは行わせず、福祉用具を積極的に使用することが示されている。介護・看護は業種別で腰痛の発生が多い分野であり、離職の一因ともなっている。用具導入の効果を上げるには、用具をそろえるだけでなく、使い方の教育、置き場所の確保、使う時間を業務に組み込むことが必要になる。患者側の利点としては、抱え上げによる皮膚のずれや剝離(スキンテア)の防止、恐怖感の軽減、残存機能を活かした移乗が可能になることが挙げられる。
間違えやすい考え方
『該当するのはどれか』型で、誤肢3つがいずれも実際に行われている(あるいは推奨されてきた)介助方法である。定義の核心(持ち上げない・用具を使う)で切る。
5分で振り返る
①ノーリフトケア=人力での抱え上げをやめ用具を使う。②スライディングシート・ボード、リフト、スタンディングマシン。③目的は二つで、介助する側の腰部障害を防ぐことと、患者の安全と安楽を守ること。④ボディメカニクスは身体の使い方の工夫で別概念。⑤厚労省の腰痛予防対策指針が根拠。
1分チェック
- ノーリフトケアとは何か。→ 人力で持ち上げず福祉用具を使う介助。
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