細菌性の pneumonia 肺炎と診断された chronic obstructive pulmonary diseases 慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉患者の酸素療法で正しいの はどれか。
公式正答:4
解説
細菌性肺炎を合併したCOPD患者の酸素療法で正しいものを問う。SpO2が投与量の指標となる。
この問題で問われていること
CO2ナルコーシスのリスクを踏まえたうえで、酸素投与量をどう調整するかを判断できるか。
しくみから理解する
COPDで慢性的にCO2が貯留している患者では、過剰な酸素投与では換気血流比の悪化やHaldane効果が主に関与し、患者によっては換気低下も加わってCO2が上昇する。低酸素刺激の消失だけを主機序として説明しない。一方で、低酸素血症そのものは臓器障害と死亡に直結するため、酸素を控えればよいというものでもない。そこで、SpO2を指標として目標範囲(おおむね88〜92%)に収まるよう投与量を細かく調整する。SpO2は非侵襲的に連続して測定でき、投与量の増減を判断する実用的な指標になる。
選択肢ごとの確認
論理が逆転している。酸素中毒(高濃度酸素の長時間投与による肺障害)を避けるなら流量は必要最小限にすべきで、高流量にするのは矛盾する。
鼻カニューレの上限は通常6L/分程度である。それ以上流しても吸入酸素濃度はほとんど上がらず、鼻粘膜の乾燥と疼痛を招く。高濃度が必要ならマスク型へ変更する。
正反対である。高二酸化炭素血症は過剰な酸素で悪化しうる。酸素を控えるのではなく、目標SpO2に合わせて調整し、意識・呼吸と必要時の動脈血ガスを評価する。
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混同しやすいポイント
『COPDには酸素を控える』と単純化して覚えると、低酸素血症を放置する危険がある。正しくは『目標SpO2を定めて必要最小限で投与し、意識状態と呼吸を観察する』である。また肺炎などの急性増悪時は酸素需要が変わるため、普段の在宅酸素の設定をそのまま使うのではなく、状態に応じて調整する。
理解を深める
CO2ナルコーシスの徴候は、意識レベルの低下、傾眠、頭痛、発汗、羽ばたき振戦、自発呼吸の減弱である。酸素投与後にSpO2が保たれているのに意識が悪化していく場合はこれを疑い、動脈血ガス分析でPaCO2とpHを確認する。対応は酸素投与量の見直しと、必要に応じて非侵襲的陽圧換気(NPPV)である。COPDの急性増悪では、気管支拡張薬、ステロイド、感染があれば抗菌薬を用いる。看護では、呼吸パターン(口すぼめ呼吸、呼気延長)、痰の性状と量、栄養状態、活動時の呼吸困難の程度(修正MRC息切れスケール)を評価する。
間違えやすい考え方
『正しいのはどれか』型で、誤肢が正しい知識の因果を逆にして作られている。『高濃度→CO2ナルコーシス』という向きを1つ確実に持っていれば、肢1・3は同時に落とせる。
5分で振り返る
①COPD等では過剰な酸素で換気血流比の悪化やHaldane効果等により高二酸化炭素血症が悪化しうる。②目標SpO2は88〜92%程度、必要最小限で投与。③酸素を控えるのではなく調整する。④鼻カニューレの上限は6L/分程度。⑤徴候は意識低下・頭痛・羽ばたき振戦。⑥確認は動脈血ガス分析。
1分チェック
- COPD患者の酸素投与量は何を指標にするか。→ SpO2(目標おおむね88〜92%)。
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