電解質異常と症候の組合せで正しいのはどれか。
公式正答:1
解説
電解質異常と症候の組合せで正しいものを問う。高カリウム血症と心室細動の組合せである。
この問題で問われていること
電解質の異常が、どの臓器にどんな症状として現れるかを対応づけられるか。
しくみから理解する
カリウムは細胞内に多く存在し、細胞膜の静止膜電位を決める主要なイオンである。血清カリウムが上昇すると静止膜電位が浅くなり、心筋の電気的興奮が不安定になる。心電図ではテント状T波、P波の平低化、QRS幅の延長が順に現れ、さらに進むと心室細動や心停止に至る。高カリウム血症が救急で最も緊急性の高い電解質異常とされるのはこのためで、腎不全、アシドーシス、組織の大量崩壊(クラッシュ症候群、大量輸血、腫瘍崩壊症候群)で生じる。
選択肢ごとの確認
低カリウム血症ではQT時間はむしろ延長し、U波の出現、ST低下、T波の平低化がみられる。ほかに筋力低下、腸蠕動低下(イレウス)、多尿が生じる。方向が逆である。
水中毒は、大量の水分摂取などによりナトリウムが希釈されて起こる低ナトリウム血症の病態である。高ナトリウム血症と対応させるのは正反対になる。
口渇は体液が濃縮した状態、すなわち高ナトリウム血症や脱水でみられる症状である。低ナトリウム血症では、頭痛、悪心、意識障害、けいれんなど中枢神経症状が主体となる。
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混同しやすいポイント
カリウムは心臓と筋、ナトリウムは中枢神経と体液量、と主に現れる場所を分けて覚えると混乱しにくい。またQT時間は、低カリウム血症と低カルシウム血症で延長、高カルシウム血症で短縮する。組合せ問題では『方向を逆にする』作り方が多いので、上がったのか下がったのかを丁寧に確認する。
理解を深める
高カリウム血症の治療は緊急度に応じて段階的に行う。心電図変化があればまずグルコン酸カルシウムを静注して心筋膜を安定化させる(カリウム値自体は下がらない)。次にグルコース・インスリン療法(GI療法)やβ2刺激薬でカリウムを細胞内へ移動させ、最終的に陽イオン交換樹脂や利尿薬、透析で体外へ除去する。看護では、心電図モニターの装着と波形の観察、採血時の溶血(偽性高カリウム血症の原因になる)を避けること、カリウムを含む食品・薬剤(生野菜・果物、カリウム保持性利尿薬、ACE阻害薬)の確認が重要である。
間違えやすい考え方
組合せ問題で、誤肢が『方向の逆転』(QT短縮、水中毒と高Na、口渇と低Na)で作られている。1つの正しい対応を確実に持っていれば、そこから消去できる。
5分で振り返る
①高K血症=テント状T波→QRS延長→心室細動。腎不全・アシドーシス・組織崩壊。②低K血症=QT延長・U波・筋力低下・イレウス。③高Na血症=口渇・意識障害。④低Na血症=水中毒、頭痛・けいれん。⑤高K血症の初期治療はカルシウム静注。
1分チェック
- 高カリウム血症で最も警戒する症候は何か。→ 致死性不整脈(心室細動・心停止)。
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