腓骨神経麻痺のアセスメントで観察するのはどれか。
公式正答:2
解説
腓骨神経麻痺のアセスメントで観察するものを問う。足関節の背屈である。
この問題で問われていること
末梢神経の支配領域と、麻痺したときに失われる運動・知覚を対応づけられるか。
しくみから理解する
総腓骨神経は坐骨神経から分かれ、腓骨頭の外側を回って下腿前面へ走行する。この部位では神経が骨と皮膚の間で表層を通るため、圧迫を受けやすい。麻痺すると、前脛骨筋など足関節を背屈させる筋群が働かなくなり、足関節の背屈と足趾の伸展ができなくなる。その結果、歩行時につま先が地面を擦る下垂足(foot drop)となり、代償として膝を高く上げる鶏歩を呈する。知覚障害は下腿外側から足背にかけて生じる。
選択肢ごとの確認
膝関節の屈曲はハムストリングス(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)が担う。このうち大腿二頭筋の長頭、半腱様筋、半膜様筋は坐骨神経の脛骨神経部の支配だが、大腿二頭筋の短頭だけは総腓骨神経部の支配になる。ただし腓骨頭部での腓骨神経麻痺は、この短頭への枝が分かれるより末梢で起こるため、膝関節の屈曲は保たれる。
膝窩の知覚は後大腿皮神経などが担当する領域で、腓骨神経の支配領域ではない。
足底の知覚は脛骨神経(内側・外側足底神経)の支配である。腓骨神経の支配は下腿外側から足背であり、足底ではない。
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混同しやすいポイント
腓骨神経(背屈・足背の知覚)と脛骨神経(底屈・足底の知覚)の対比が要点である。『腓骨=背屈=足背』『脛骨=底屈=足底』とセットで覚える。上肢では橈骨神経麻痺が下垂手を起こし、これも伸展ができなくなるという点で腓骨神経麻痺と同じ構図になる。
理解を深める
腓骨神経麻痺は看護の場面で予防できる障害である。長時間の側臥位で下側の腓骨頭が圧迫される、下肢の外旋位で腓骨頭がベッドに当たる、ギプスや弾性ストッキングによる圧迫、手術中の体位(砕石位)などが原因になる。予防としては、腓骨頭部の除圧、下肢を中間位に保つポジショニング(外旋防止のためのクッションや枕)、定期的な体位変換、装具の圧迫部の確認を行う。糖尿病や痩せた高齢者は皮下脂肪が少なく発症しやすい。発症した場合は短下肢装具で下垂足を補い、原因となる圧迫を除去する。
間違えやすい考え方
神経名から支配領域を答える型。似た名前の神経(腓骨と脛骨)で運動と知覚が対になっているため、一方を覚えれば他方も決まる。
5分で振り返る
①腓骨神経=背屈・足趾伸展、下腿外側〜足背の知覚。②麻痺で下垂足・鶏歩。③脛骨神経=底屈、足底の知覚。④腓骨頭の圧迫が原因、側臥位や外旋位に注意。⑤予防は除圧と中間位のポジショニング。
1分チェック
- 腓骨神経麻痺で障害されるのは何か。→ 足関節の背屈(下垂足)と足背の知覚。
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