正期産で出生した健康な乳児で正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
正期産で出生した健康な乳児について正しいものを問う。学童と比べて胃食道逆流現象が起きやすい。
この問題で問われていること
乳児の解剖生理学的な特徴と、そこから生じる現象を結びつけられるか。
しくみから理解する
乳児の胃は、成人や学童に比べて垂直に近い形(筒状)で、噴門部の下部食道括約筋の機能も未熟である。加えて胃の容量が小さく、液体の栄養を頻回に摂取するため、胃内容が食道へ逆流しやすい。これが溢乳(授乳後に口から少量のミルクが出る現象)として日常的にみられる。成長に伴い胃が湾曲した形になり、括約筋の機能も発達するため、逆流は自然に減っていく。体重増加が順調で機嫌がよければ生理的なものと考えてよく、授乳後は覚醒中に抱いて排気を促してもよいが、睡眠時は仰向けで、硬く平坦な寝床に寝かせる。傾斜寝具や腹臥位・側臥位を逆流対策として用いない。
選択肢ごとの確認
胎便は通常、生後24時間以内に排泄される。24〜48時間経っても排泄がない場合は、ヒルシュスプルング病や鎖肛などの消化管閉塞を疑い精査が必要になる。
生理的黄疸は生後2〜3日に出現し、4〜5日でピークとなり、7〜10日ほどで消退する。母乳性黄疸では1〜2か月程度まで続くことがあるが、3か月以降も続く場合は生理的とはいえず、胆道閉鎖症などの検索が必要である。
デーデルライン桿菌は成人女性の腟内で腟の酸性環境を保つ常在菌であり、児の腸内細菌叢の主体ではない。経腟分娩児では母体の腟・腸内細菌に由来する菌が定着し、母乳栄養児ではビフィズス菌が優勢になる。
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混同しやすいポイント
数値(24時間、2〜3日、7〜10日)を正確に持っていないと肢1・3を切れない。また肢4は『経腟分娩で母体の菌に触れる』という正しい事実に、別の菌名を接続した作りになっている。菌の名前と、それがどこにいる菌かをセットで覚える。
理解を深める
溢乳と嘔吐の鑑別は看護上重要である。溢乳は授乳後に少量が口角から流れ出るもので、児は元気で体重増加も順調である。一方、噴水状に勢いよく吐く、体重が増えない、胆汁性(緑色)の嘔吐がある場合は、肥厚性幽門狭窄症や腸回転異常症などの器質的疾患を疑う。肥厚性幽門狭窄症は生後2〜3週から噴水状嘔吐で発症し、男児に多く、脱水と低クロール性代謝性アルカローシスをきたす。看護では、嘔吐の性状・タイミング・量、体重の推移、脱水徴候(大泉門の陥凹、皮膚の緊張、尿量、涙)を観察する。
間違えやすい考え方
『正しいのはどれか』型で、誤肢が数値のずらしと用語のすり替えで作られている。新生児期の時間経過(胎便24時間以内、生理的黄疸2〜3日から7〜10日)を数値で持っていれば消去できる。
5分で振り返る
①乳児の胃は垂直に近く括約筋が未熟→溢乳。②胎便は生後24時間以内に排泄。③生理的黄疸は2〜3日出現、7〜10日で消退。④母乳栄養児の腸内はビフィズス菌優勢。⑤噴水状嘔吐・体重増加不良は肥厚性幽門狭窄症を疑う。
1分チェック
- 乳児で胃食道逆流が起きやすい理由は何か。→ 胃が垂直に近く、下部食道括約筋が未熟だから。
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