ホルモンとその働きの組合せで正しいのはどれか。
公式正答:1
解説
ホルモンと作用の組合せ問題。エストロゲンが骨端軟骨板を閉じさせるという、やや細かいが確実な事実が正答。
この問題で問われていること
性ホルモンの作用を、生殖器以外への作用も含めて言えるか。組合せ問題では誤肢がどのホルモンの作用かまで言えると強い。
しくみから理解する
エストロゲンは生殖器の発育だけでなく骨にも作用する。思春期には骨の成長を促す一方、骨端軟骨板(成長板)の軟骨細胞の成熟を進めて最終的に閉鎖させ、身長の伸びを止める。女子のほうが早く身長が止まるのはエストロゲンの分泌が早く始まるためで、男子でもテストステロンの一部が芳香化してエストロゲンになり、同じ働きをする。成長ホルモンは骨端軟骨板に作用して骨を伸ばす側で、閉鎖させる側ではない。テストステロンは男性の第二次性徴を、プロゲステロンは排卵後の黄体から分泌されて子宮内膜を分泌期に保ち、基礎体温を上げる。 【接地元】ガイトン生理学 下垂体ホルモン・女性ホルモン、三年解剖学総まとめ(内分泌系)、OpenStax anatomy_physiology_2e(epiphyseal plate)
選択肢ごとの確認
エストロゲンは骨端軟骨板を閉鎖させ、身長の伸びを止める。
子宮を大きくするのはエストロゲン。成長ホルモンは全身の骨と軟部組織の成長に働く。
乳房を発育させるのはエストロゲン(乳腺の発達にはプロゲステロンとプロラクチンも関わる)。テストステロンは男性の第二次性徴を起こす。
排卵を起こすのは黄体形成ホルモン(LH)のサージ。プロゲステロンは排卵後にできた黄体から分泌され、子宮内膜を着床に適した状態に保ち、基礎体温を上げる。時間の前後が逆になっている。
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混同しやすいポイント
プロゲステロンと排卵の関係は「排卵の結果として出る」であって「排卵を起こす」ではない。因果の向きを取り違えると4を選ぶ。排卵を起こすのはLHサージ。
理解を深める
骨端軟骨板は骨の成長を担う軟骨の層で、思春期が終わると閉鎖して骨端線という痕跡になる。閉鎖後は身長が伸びない。成長ホルモンの過剰が骨端線閉鎖前に起これば下垂体性巨人症、閉鎖後に起これば末端肥大症になるという違いも、この構造から説明できる。エストロゲンが骨に及ぼす作用は生涯にわたり、閉経後に骨吸収が進んで骨粗鬆症になるのも同じ受容体を介した作用の裏返しである。
間違えやすい考え方
組合せ問題で、正しい作用を別のホルモンに割り当てる型。誤肢に書かれた作用が「本当は誰の仕事か」を言えると、消去法が確実になる。
5分で振り返る
エストロゲン=乳房発育・子宮増大・皮下脂肪の女性型分布・骨端軟骨板閉鎖・骨吸収抑制・LDL低下。プロゲステロン=排卵後の黄体から。子宮内膜を分泌期に保つ・基礎体温上昇・妊娠維持。排卵を起こすのはLHサージ。テストステロン=男性の第二次性徴。成長ホルモン=骨端軟骨板に作用して骨を伸ばす(閉鎖させるのはエストロゲン)。骨端線閉鎖前の成長ホルモン過剰=巨人症、閉鎖後=末端肥大症。
1分チェック
- 骨端軟骨板を閉鎖させるホルモンは何か
- 排卵を起こすホルモンは何か
- 子宮を大きくするのはどのホルモンか
- プロゲステロンの作用を3つ挙げられるか
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