A さん(25 歳、初産婦)は妊娠経過が順調であり、自然分娩を希望している。妊 娠40 週2 日、陣痛発来し入院した。未破水、陣痛の間欠6 分、発作20 秒で産痛を 訴えている。入院してから4 時間経過しており、現在、子宮口4 cm 開大してい る。 A さんへの援助で適切なのはどれか。
公式正答:1
解説
初産婦で子宮口4cm開大、陣痛間欠6分・発作20秒の段階での援助を問う。足浴を勧めることである。
この問題で問われていること
分娩の進行段階を判断し、その時期に適した援助を選べるか。
しくみから理解する
子宮口4cm開大は、まだ時間を要する段階になる。国内では活動期の開始を4cmとする区分が用いられてきたが、国際的な分娩期のケアの指針は5cmを活動期の開始としており、枠組みによって定義が異なる。いずれにせよ、この時点は努責を促す段階ではない。陣痛間欠6分・発作20秒は比較的まだ弱い。この時期の援助の目標は、産痛を和らげてリラックスを促し、体力を温存しながら分娩の進行を助けることである。足浴は、温熱により血行を促して身体の緊張をゆるめ、リラックス効果によって産痛を緩和する。また下肢の冷えを取ることで分娩の進行にも良い影響が期待できる。歩行や姿勢の工夫と並んで、この時期に勧められる援助である。
選択肢ごとの確認
分娩第1期では、動けるうちは歩行や座位、体位の工夫が推奨される。重力を利用し骨盤内で児頭が下降するのを助け、産痛の緩和にもつながる。臥床安静を強いる根拠はない。
分娩は長時間にわたり大きなエネルギーを消費するため、経口摂取が可能であれば水分と消化のよい食物を摂るよう勧める。脱水と低血糖は微弱陣痛の原因になる。全身麻酔の可能性がある場合など、制限が必要な状況を除いて禁止しない。
子宮口が全開大する前の努責は、子宮頸管の浮腫や裂傷を招き、産婦の体力も消耗させる。努責は子宮口全開大(10cm)後の分娩第2期に開始する。この段階では、むしろ努責を逃すための呼吸法を指導する。
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混同しやすいポイント
分娩第1期と第2期の援助が入れ替わると全部誤りになる。子宮口の開大度で段階を判断することが最初の関門である。4cmは第1期であり、努責はまだ早い(活動期の開始を4cmとするか5cmとするかは枠組みによって異なるが、いずれでも努責の段階ではない)。また『安静・絶食』という入院時の一般的なイメージが、分娩ではむしろ逆になる点に注意する。
理解を深める
分娩第1期は、子宮口が開大していく時期で、潜伏期と活動期に分けられる。活動期の開始は、国内で用いられてきた区分では4cm、国際的な分娩期のケアの指針では5cmとされ、枠組みによって異なる。所要時間には大きな個人差があり、初産婦で10〜12時間程度という数字は目安にすぎない。同じ指針は、1時間1cmという進行の目安を異常の判定に用いないよう述べている。援助としては、産痛緩和(呼吸法、マッサージ、圧迫法、温罨法、体位の工夫、アロマや音楽などの環境調整)、水分と栄養の補給、排尿の促し(膀胱充満は児頭下降を妨げる)、産婦と付き添う人への声かけと情報提供がある。観察は、陣痛の間欠と発作、子宮口の開大と展退、児頭の下降度、破水の有無、胎児心拍数モニタリング、産婦のバイタルサインと全身状態である。
間違えやすい考え方
『適切なのはどれか』型で、設問文の数値(4cm、間欠6分、発作20秒)が段階の判断材料になっている。数値を読み飛ばすと、努責や安静を選んでしまう。
5分で振り返る
①4cmは分娩第1期で、まだ時間がかかる(活動期の開始を4cmとするか5cmとするかは枠組みで異なり、所要時間の個人差も大きい)。②努責は子宮口全開大後(第2期)。③歩行や体位の工夫を勧め、臥床安静にしない。④水分・栄養は摂取を勧める。⑤膀胱充満は児頭下降を妨げるので排尿を促す。
1分チェック
- 子宮口4cm開大の時期の援助は何か。→ リラックスと産痛緩和(足浴など)。
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