Yalom, I. D. ヤーロムの集団精神療法の治療的因子のうち、普遍性に関する説明はどれか。
公式正答:4
解説
ヤーロムの集団精神療法の治療的因子のうち、普遍性の説明を問う。自分の抱えている問題は自分だけのものではないと気付くことである。
この問題で問われていること
集団療法がなぜ効くのかを、因子ごとに説明できるか。
しくみから理解する
ヤーロムは集団精神療法に働く治療的因子を11に整理した。普遍性(universality)は、自分だけが特異な苦しみを抱えていると思っていた人が、同じ悩みを持つ他者に出会うことで孤立感が和らぐ体験を指す。精神疾患や依存症、慢性疾患では、患者が『自分だけがおかしい』と感じて孤立しやすいため、この気づきそのものが強い治療的意味を持つ。集団の初期段階で最も働きやすい因子とされる。
選択肢ごとの確認
情報の伝達(imparting of information)にあたる。疾患や治療についての知識、他のメンバーからの実際的な助言を得る因子である。
実存的因子(existential factors)にあたる。人生の有限性や責任、孤独といった根源的な主題に向き合う体験である。
希望の注入(instillation of hope)にあたる。先を行くメンバーの回復を見ることで、自分にも可能だと感じられる因子である。
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混同しやすいポイント
普遍性と希望の注入は、どちらも他のメンバーの存在によって生じるため紛らわしい。普遍性は『自分だけではない』という横のつながりの気づき、希望の注入は『あの人のようになれる』という先を見る力である。作用の向きで区別する。
理解を深める
ヤーロムの治療的因子には、ほかに愛他主義(他者の役に立つ経験)、社会適応技術の発達、模倣行動、対人学習、集団の凝集性、カタルシス、初期家族関係の修正的な繰り返しがある。これらは、自助グループ(アルコホーリクス・アノニマス、断酒会、家族会など)が有効に働く理由の説明にもなる。看護師が集団に関わる場面としては、患者教育のグループ、慢性疾患の患者会、精神科デイケア、SST(社会生活技能訓練)などがある。ファシリテーターの役割は、発言を促し、安全な場を保ち、特定の人に集中しないよう調整することにある。
間違えやすい考え方
因子の名称と説明を対応させる型。名称を知っていても説明文と結びつけられないと選べない。『普遍性=自分だけではない』のようにキーフレーズで覚える。
5分で振り返る
①普遍性=自分だけではないと気づき孤立感が和らぐ。②希望の注入=他者の回復が自分の希望になる。③情報の伝達=知識や助言を得る。④実存的因子=生や死、生きる意味。⑤ほかに愛他主義・凝集性・カタルシス・対人学習。⑥自助グループが効く理由の説明になる。
1分チェック
- 普遍性とは何か。→ 悩んでいるのは自分だけではないと気づくこと。
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