細胞内に受容体があるホルモンはどれか。
公式正答:5
解説
細胞内に受容体があるホルモンを問う。テストステロンである。
この問題で問われていること
ホルモンの化学構造と受容体の位置の対応を理解しているか。
しくみから理解する
ホルモンは化学構造からペプチド・タンパク質系、アミン系、ステロイド系に分けられる。ステロイドホルモンと甲状腺ホルモンは脂溶性で細胞膜(リン脂質二重層)を通過できるため、受容体は細胞質内または核内にある。ホルモンと結合した受容体はDNAに作用して遺伝子の転写を調節し、タンパク質の合成を変化させる。このため作用の発現は遅いが持続時間は長い。テストステロンは精巣のライディッヒ細胞から分泌されるステロイドホルモンであり、細胞内受容体をもつ。
選択肢ごとの確認
ペプチドホルモンで水溶性のため細胞膜を通過できず、受容体は細胞膜上にある。受容体はチロシンキナーゼ型で、結合するとリン酸化を介した情報伝達が起こる。
アミン(カテコールアミン)系のホルモンで、受容体は細胞膜上のアドレナリン受容体(α・β)である。Gタンパク質共役型受容体で、セカンドメッセンジャーを介して速やかに作用する。
下垂体後葉から分泌されるペプチドホルモンで、受容体は細胞膜上にある。
下垂体前葉から分泌されるタンパク質ホルモンで、受容体は細胞膜上にある。
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混同しやすいポイント
『脂溶性か水溶性か』が判定の軸である。ステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン、性ホルモン)と甲状腺ホルモンが細胞内受容体、それ以外のペプチド・アミン系は細胞膜受容体、と覚える。なお甲状腺ホルモンはアミン系に分類されるが例外的に脂溶性で細胞内受容体をもつ点が問われやすい。
理解を深める
受容体の位置の違いは、作用の速さと持続、そして薬物としての投与経路にも関係する。ステロイドは経口投与でも吸収され作用するが、インスリンは経口では消化されてしまうため注射が必要になる。またステロイドホルモンは血中で結合タンパク質と結合して運ばれ、遊離型のみが作用する。副腎皮質ステロイドの長期投与では、ネガティブフィードバックにより視床下部-下垂体-副腎系が抑制されるため、急な中止で急性副腎不全を起こす。この機序も、細胞内受容体を介した遺伝子レベルの作用という性質から理解できる。
間違えやすい考え方
ホルモン名を並べる型で、化学構造の分類を知らないと選べない。『ステロイドと甲状腺ホルモンだけが細胞内』という例外の少ない規則で覚える。
5分で振り返る
①ステロイド・甲状腺ホルモン=脂溶性、細胞内(核内)受容体、作用は遅く持続的。②ペプチド・アミン系=水溶性、細胞膜受容体、作用は速い。③インスリンはチロシンキナーゼ型。④アドレナリンはGタンパク質共役型。⑤インスリンが経口不可なのは消化されるため。
1分チェック
- 細胞内に受容体があるホルモンは何か。→ ステロイドホルモン(テストステロンなど)と甲状腺ホルモン。
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