lumbar spinal canal stenosis 腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行が改善する腰部の動きはどれか。
公式正答:2
解説
腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行が改善する腰部の動きを問う。前屈である。
この問題で問われていること
症状の機序から、どの姿勢で楽になるかを導けるか。
しくみから理解する
腰部脊柱管狭窄症では、加齢による椎間板の膨隆、黄色靱帯の肥厚、椎間関節の変性により脊柱管が狭くなり、馬尾や神経根が圧迫される。腰椎を後屈(伸展)すると黄色靱帯がたわんで脊柱管内へ突出し、椎間孔も狭くなるため症状が悪化する。逆に前屈すると靱帯の緊張が保たれて脊柱管の断面積が広がり、圧迫が軽減して症状が和らぐ。このため患者は前かがみの姿勢を好み、歩行では前傾姿勢をとる、自転車なら長く乗れる、といった特徴が現れる。
選択肢ごとの確認
逆で、症状が悪化する動きである。立位や歩行で腰椎が伸展位になるため歩行時に症状が出やすい。
回旋は脊柱管の前後径に大きく影響しない。症状の改善には直結しない。
側屈も脊柱管の断面積を広げる主要な動きではない。
同様に、症状改善の機序と結びつかない。
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混同しやすいポイント
閉塞性動脈硬化症による間欠性跛行との鑑別が要点である。どちらも歩くと下肢が痛くなり休むと軽快するが、脊柱管狭窄症は前屈で改善し、自転車なら乗れる、足背動脈は触れる。閉塞性動脈硬化症は姿勢に関係なく、立ち止まるだけで改善し、足背動脈が触れにくく、皮膚の冷感や色調変化を伴う。
理解を深める
腰部脊柱管狭窄症の症状は、間欠性跛行のほか、下肢のしびれ・疼痛、進行すると膀胱直腸障害(排尿困難、失禁)や会陰部の感覚障害(馬尾症候群)を生じる。馬尾症候群は緊急手術の適応となるため、排尿障害の出現は見逃せない所見である。保存療法では、薬物(プロスタグランジンE1製剤、神経障害性疼痛治療薬)、運動療法(腹筋・背筋の強化、体幹の柔軟性)、コルセット、神経ブロックを行う。看護では、前屈位を保てる歩行補助具(シルバーカー、歩行器)の活用、休憩を挟んだ外出計画、転倒予防を指導する。
間違えやすい考え方
『改善する動き』を問う向きに注意する。悪化する動きを答えてしまわないよう、機序(黄色靱帯のたわみ)から導く。
5分で振り返る
①後屈で黄色靱帯がたわみ脊柱管が狭くなる→悪化。②前屈で広がる→改善。③自転車は乗れる、歩行は前傾になる。④閉塞性動脈硬化症は姿勢と無関係、足背動脈が触れにくい。⑤膀胱直腸障害の出現は馬尾症候群で緊急。
1分チェック
- 腰部脊柱管狭窄症で症状が楽になる姿勢は何か。→ 前屈(前かがみ)。
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