発症にダニが関与するのはどれか。2 つ選べ。
公式正答:1・4
解説
発症にダニが関与する疾患を2つ選ぶ。疥癬とツツガムシ病である。
この問題で問われていること
感染症を、病原体と媒介する生物の組合せで整理できているか。
しくみから理解する
疥癬はヒゼンダニ(疥癬虫)が皮膚の角質層に寄生して起こる皮膚感染症で、ダニそのものが病原体である。夜間に強くなる掻痒、指間や手首、腋窩、陰部の丘疹、疥癬トンネルが特徴で、接触により人から人へ伝播する。ツツガムシ病はツツガムシ(ダニの一種)の幼虫に刺されることで、Orientia tsutsugamushi が媒介されて発症するリケッチア感染症である。刺し口(黒色の痂皮)、発熱、発疹の3徴が特徴となる。前者はダニが病原体そのもの、後者はダニが媒介者、という違いがあるが、いずれも発症にダニが関与する。
選択肢ごとの確認
Chlamydia psittaci による感染症で、オウムやインコなど鳥類の排泄物を吸い込むことで感染する。媒介するのはダニではなく鳥である。
Salmonella Typhi による経口感染症で、汚染された水や食品を介して感染する。媒介動物としてはハエが関与しうるがダニではない。
真菌のアスペルギルスを吸入して生じる。環境中の胞子が原因であり、ダニは関与しない。
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混同しやすいポイント
ダニが関与する感染症には、ほかに重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、日本紅斑熱、ライム病、ダニ媒介脳炎がある。マダニに咬まれることで感染し、いずれも近年注目されている。疥癬のヒゼンダニと、屋外のマダニ、室内のチリダニ(アレルゲン)は別のダニであり、混同しないよう対象を分けて覚える。
理解を深める
疥癬は施設内での集団発生が問題になる。通常疥癬でも治療開始後少なくとも24時間程度は直接皮膚接触を避け、ケア時は接触予防策を用いる。角化型疥癬では厳格な接触予防策、個室、環境・寝具・衣類への対応、接触者評価を徹底する。免疫が低下した高齢者や長期臥床者に生じやすい。治療はイベルメクチンの内服やフェノトリンの外用で、寝具や衣類の管理、同時に接触者を治療することが再燃を防ぐ鍵になる。掻痒は治療後もしばらく続くことがあり、治癒の判断は虫体の消失で行う。
間違えやすい考え方
『2つ選べ』の複数選択で、5肢すべてが実在する感染症である。媒介生物ごとに感染症を束ねて覚えていないと選べない。
5分で振り返る
①疥癬=ヒゼンダニが皮膚に寄生、夜間の掻痒と疥癬トンネル。②ツツガムシ病=リケッチア、刺し口・発熱・発疹の3徴。③ほかにSFTS・日本紅斑熱・ライム病もダニ媒介。④オウム病は鳥、腸チフスは経口、アスペルギルスは吸入。⑤角化型疥癬は感染力が強く個室+接触予防策。
1分チェック
- ダニが関与するのはどれか。→ 疥癬(ヒゼンダニが病原体)とツツガムシ病(ツツガムシが媒介)。
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