薬剤の形状として貼付剤があるのはどれか。2 つ選べ。
公式正答:3・4
解説
貼付剤(経皮吸収型製剤)がある薬剤を2つ選ぶ。フェンタニルとニトログリセリンである。
この問題で問われていること
経皮吸収型製剤が成立する条件と、代表的な薬剤を知っているか。
しくみから理解する
経皮吸収型製剤は、皮膚から薬剤を吸収させて全身に作用させる剤形である。成立するには、分子量が小さく脂溶性が高いこと、少量で効果が得られること(皮膚から吸収できる量に限りがあるため)が必要になる。フェンタニルは強い鎮痛作用をもつオピオイドで、内服が難しいがん患者の持続する痛みに対して貼付剤の形で使われる。ニトログリセリンは狭心症の治療薬で、肝臓での初回通過効果を受けやすいため経皮投与が有利であり、発作予防に貼付剤が使われる。いずれも血中濃度を安定して保てる利点がある。
選択肢ごとの確認
分子量の大きいペプチドホルモンで、皮膚を通過できない。注射(皮下注射)または吸入型など、別の投与経路が必要になる。
アナフィラキシーなど緊急時に速やかな効果が必要な薬剤で、経皮では効果発現が遅すぎる。筋肉内注射が用いられる。
通常は経口、坐薬、静注で投与される。必要な用量が比較的多く、経皮吸収型製剤としては実用的でない。
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混同しやすいポイント
貼付剤には、局所に作用させるもの(湿布、消炎鎮痛薬)と、全身に作用させる経皮吸収型製剤がある。設問で問われているのは後者である。ほかの経皮吸収型製剤としては、ニコチン(禁煙補助)、エストラジオール(ホルモン補充)、ツロブテロール(気管支拡張)、リバスチグミン(認知症)、ブプレノルフィン(鎮痛)などがある。
理解を深める
経皮吸収型製剤の看護では、貼付部位のローテーション(同じ場所に繰り返し貼ると皮膚障害を起こす)、貼付部位を清潔で乾燥した状態にすること、剥がれの確認、使用済み製剤の管理が重要になる。とくにフェンタニル貼付剤には使用後も相当量の薬剤が残るため、廃棄の管理を厳重に行い、小児の誤接触を防ぐ。また発熱や電気毛布、入浴などで皮膚温が上がると吸収が増え、過量投与の危険がある。MRI検査では金属を含む製剤で熱傷の報告があり、事前に剥がす必要がある。ニトログリセリン貼付剤では、耐性を防ぐため一定時間貼らない時間帯を設けることがある。
間違えやすい考え方
『2つ選べ』の複数選択で、5肢すべてが実在する薬剤である。剤形の知識がないと選べないが、『皮膚を通れる大きさか』『少量で効くか』という原理から推論もできる。
5分で振り返る
①経皮吸収型は小分子・脂溶性・少量で効く薬剤に限られる。②フェンタニル=がん疼痛、ニトログリセリン=狭心症。③ほかにニコチン・エストラジオール・ツロブテロール・リバスチグミン。④インスリンは分子が大きく不可。⑤発熱や加温で吸収が増え過量の危険。⑥使用後も薬剤が残るため廃棄管理を厳重に。
1分チェック
- 貼付剤がある薬剤はどれか。→ フェンタニルとニトログリセリン。
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