老視の原因はどれか。2 つ選べ。
公式正答:2・5
解説
老視は近くが見えにくくなる加齢変化。原因は、ピントを合わせる水晶体が硬くなることと、それを操る毛様体筋が衰えること。
この問題で問われていること
遠近調節の仕組みを構造ごとに言えるか。老視と他の眼疾患(緑内障・白内障・加齢黄斑変性)を区別できるか。
しくみから理解する
近くを見るときは、毛様体筋が収縮して毛様体小帯(チン小帯)が緩み、水晶体が自らの弾性で厚くなって屈折力を増す。遠くを見るときは毛様体筋が弛緩して小帯が張り、水晶体が薄くなる。加齢に伴い、水晶体の蛋白質が変性して弾力性を失い、厚くなろうとしても厚くなれなくなる。さらに毛様体筋も萎縮して収縮力が落ちる。この2つが重なって調節力が低下し、近くにピントが合わなくなる。これが老視で、40歳代から自覚され始める。近くを見るための凸レンズ(老眼鏡)で補正する。 【接地元】OpenStax clinical_nursing_skills(presbyopia)、ガイトン生理学 第50章 眼:視覚の光学、三年解剖学総まとめ(視覚器)
選択肢ごとの確認
房水の流出が妨げられて眼圧が上がるのは緑内障の機序。視野が欠けていく疾患であって、近くが見えにくくなる老視とは別。
水晶体を厚くするための筋が衰え、調節力が落ちる。
虹彩は瞳孔の大きさを変えて入る光の量を調節する。加齢で瞳孔は縮小傾向になり暗い場所で見えにくくなるが、これは老視の定義に含まれない。
網膜の変化は視力そのものや視野に影響する(加齢黄斑変性など)。ピント調節の障害である老視とは別の機序。
水晶体が硬くなり厚くなれなくなるため、近くにピントが合わない。老視の主因。
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混同しやすいポイント
加齢による眼の変化を一括りにすると誤る。老視=調節力の低下(水晶体の硬化と毛様体筋の萎縮)、白内障=水晶体の混濁、緑内障=眼圧上昇による視神経障害、加齢黄斑変性=網膜中心部の障害。どれも高齢者に多いが、障害される構造と症状が違う。
理解を深める
老視は「近くが見えにくい」という点で遠視と混同されやすいが、別のものである。遠視は眼軸が短いなど屈折の問題で、若いうちは調節力で補える。老視は調節力そのものの低下なので、もともと近視の人でも起こる(近視の人は眼鏡を外せば近くが見えるため、自覚が遅れることがある)。看護の場面では、高齢者に説明文書を渡すときの文字の大きさ、手元の照度、老眼鏡の使用の確認といった配慮につながる。第113回午後 問8で「老化に伴う視覚の変化」が問われているのも同じ論点。
間違えやすい考え方
加齢による眼の疾患を並べて、特定の症状の原因だけを選ばせる型。構造(水晶体・虹彩・網膜・隅角)ごとに疾患を対応させておけば消去できる。
5分で振り返る
近見=毛様体筋が収縮→毛様体小帯が緩む→水晶体が弾性で厚くなる。遠見=毛様体筋が弛緩→小帯が張る→水晶体が薄くなる。老視=水晶体の弾力性低下+毛様体筋の萎縮による調節力の低下。40歳代から自覚し凸レンズで補正。白内障=水晶体の混濁、緑内障=房水の流出障害による眼圧上昇と視神経障害、加齢黄斑変性=網膜中心部の障害。
1分チェック
- 近くを見るとき水晶体と毛様体筋はどうなるか
- 老視の原因を2つ挙げられるか
- 白内障・緑内障・加齢黄斑変性はそれぞれ何の障害か
- 老視と遠視の違いは何か
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