placental abruption 常位胎盤早期剝離のリスク因子はどれか。2 つ選べ。
公式正答:4・5
解説
常位胎盤早期剝離のリスク因子を2つ選ぶ。妊娠高血圧症候群と常位胎盤早期剝離の既往である。
この問題で問われていること
産科的緊急疾患のリスク因子を、機序と結びつけて覚えているか。
しくみから理解する
常位胎盤早期剝離は、正常な位置に付着している胎盤が、児の娩出前に子宮壁から剝がれる病態である。胎盤が剝がれると胎児への酸素供給が絶たれ、同時に母体は大量出血と播種性血管内凝固症候群(DIC)を起こしうるため、母児ともに危険な状態となる。最大の危険因子は妊娠高血圧症候群で、これは脱落膜の血管に病変が生じ、血管が破綻しやすくなるためである。また既往のある妊婦では再発率が高く、これも重要なリスク因子となる。ほかに外傷、喫煙、絨毛膜羊膜炎、多胎、羊水過多からの急激な子宮内圧低下などがある。
選択肢ごとの確認
経産そのものが独立した危険因子として強く関与するわけではない。前置胎盤では経産や既往帝王切開が危険因子となるため、混同しやすい。
巨大児、新生児低血糖、肩甲難産などのリスクを高めるが、常位胎盤早期剝離の主要な危険因子としては挙げられない。
子宮破裂や前置胎盤・癒着胎盤の危険因子である。常位胎盤早期剝離の代表的な因子ではない。
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混同しやすいポイント
前置胎盤との鑑別が最重要である。前置胎盤は痛みのない反復する性器出血(警告出血)で子宮は柔らかく、危険因子は経産・帝王切開既往・高齢である。常位胎盤早期剝離は持続する下腹部痛と子宮の硬直(板状硬)が特徴で、外出血は少ないこともあり(後血腫)、出血量と症状が一致しない。危険因子は妊娠高血圧症候群・既往・外傷である。この対比を表で持っておく。
理解を深める
常位胎盤早期剝離では、胎児心拍数モニタリングで遅発一過性徐脈や基線細変動の消失などの異常が現れる。診断がつけば急速遂娩(多くは緊急帝王切開)となるため、看護は迅速な準備が中心になる。静脈路の確保、輸血の準備、DICの評価(血小板、フィブリノゲン、FDP、Dダイマー)、バイタルサインと出血量の把握、家族への説明と支援を並行して行う。妊婦健診で妊娠高血圧症候群を早期に発見し管理することが予防につながるため、血圧測定と尿蛋白の確認、体重増加の評価、頭痛や視覚異常などの前駆症状の聴取が重要である。
間違えやすい考え方
『2つ選べ』の複数選択で、誤肢が前置胎盤や妊娠糖尿病の危険因子で構成されている。疾患ごとに危険因子を束ねて覚えていないと混ざる。
5分で振り返る
①常位胎盤早期剝離=持続する下腹部痛、子宮の板状硬、出血量と症状が一致しない。②危険因子は妊娠高血圧症候群・既往・外傷・喫煙。③母体はDIC、児は低酸素で母児ともに危険。④前置胎盤は痛みのない反復出血、危険因子は経産・帝王切開既往。⑤対応は急速遂娩とDIC管理。
1分チェック
- 常位胎盤早期剝離の危険因子は何か。→ 妊娠高血圧症候群と既往。
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