次の文を読み、問いに答えよ。Aちゃん(10歳、女児)は両親と3人で暮らしている。3歳の時にbronchialasthma気管支喘息と診断された。6歳までは喘息発作で年に1回は入院していたが、8歳から発作を起こすことはなくなり、定期受診が必要なくなった。ダニとハウスダストに感作がある。
A ちゃんの咳嗽は軽快し、全身状態も良好で退院が決定した。A ちゃんに学校 での生活状況を確認すると「最近、喘息発作はなかったけど、体育の時は咳が出た り苦しくなったりすることが時々あった」と話した。そのため、A ちゃんと母親 に、退院後も抗アレルギー薬の内服と副腎皮質ステロイド薬の吸入を続けるよう医 師が説明した。 看護師のA ちゃんに対する退院後の生活についての指導で適切なのはどれか。
公式正答:4
解説
体育の時に咳や苦しさが出ることがある10歳児への退院後の生活指導を問う。学校で咳が続くときは担任の先生に伝えるよう伝えることである。
この問題で問われていること
学童が自分の疾患を管理し、周囲に助けを求められるよう支援できるか。
しくみから理解する
この児は体育の時に症状が出ており、運動誘発喘息が疑われる。学校で症状が出たときに、本人が担任に伝えられれば、活動の調整、休息、必要なら発作治療薬の使用や保護者への連絡といった対応につながる。学童期は、自分の身体の状態に気づき、必要なときに助けを求める力を育てる時期であり、この力はセルフケアの基礎になる。また、伝えることで学校側が状況を把握でき、無理をさせない環境が整う。日常生活を制限するのではなく、必要なときに支援を得られるようにする、という方向の指導になる。
選択肢ごとの確認
過度の制限であり、学業と社会性の発達の機会を奪う。感染は喘息発作の誘因になるため、手洗い、うがい、ワクチン接種、体調不良時の早めの対応といった予防を指導するのが適切である。
最も危険な誤りである。医師は退院後も抗アレルギー薬と吸入ステロイドの継続を説明している。これらは症状がないときに炎症を抑えて発作を防ぐコントローラーであり、自己判断で中止すると再発作を招く。
不必要な制限である。喘息のコントロールが良好であれば、運動を含めて健常児と同じ生活を送ることが目標になる。運動誘発喘息に対しては、運動前のウォーミングアップ、必要に応じた運動前のβ2刺激薬の使用、冷たく乾いた空気を避けるといった工夫で参加できる。
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混同しやすいポイント
喘息管理の目標は『発作を起こさずに、制限のない日常生活を送る』ことである。誤肢1・3はいずれも制限を増やす方向で、この目標に反する。誤肢2は治療の中断であり、最も直接的に有害である。制限ではなく、コントロールと環境調整によって参加を可能にする、という考え方を持つ。
理解を深める
慢性疾患をもつ学童の学校生活では、学校生活管理指導表を用いて、主治医が運動や活動の可否を記載し、学校と共有する仕組みがある。喘息では、発作時の対応、内服・吸入薬の学校での使用、体育や宿泊行事への参加について、あらかじめ取り決めておく。学童期は、親から本人へ管理の主体が移行していく時期であり、薬の意味を本人が理解し、自分で吸入できるようになること、症状に気づいて伝えられることを段階的に育てる。思春期には自己中断が増えるため、本人の生活に合った方法(回数を減らす、持ち運びやすい形にする)を一緒に考える。ピークフローメーターによる自己モニタリングと喘息日誌も、自己管理を支える道具になる。
間違えやすい考え方
『適切なのはどれか』型で、誤肢が『休む』『やめる』『見学する』と、いずれも制限・中断の方向で作られている。管理の目標(制限のない生活)を持っていれば全部落とせる。
5分で振り返る
①目標は発作を起こさず制限のない生活を送ること。②コントローラーは症状がなくても継続する。③運動は工夫して参加する(ウォーミングアップ、運動前の吸入)。④学校生活管理指導表で学校と共有する。⑤学童期は本人へ管理を移行していく時期。⑥ピークフローと喘息日誌で自己モニタリング。
1分チェック
- 学校で症状が出たとき、学童にどうするよう伝えるか。→ 担任に伝えるよう促す。
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